オリドラ9赤間“故郷”へ勇姿届ける 東日本大震災で実家被災

[ 2016年1月18日 08:20 ]

黙とうをささげる赤間(中央)と佐藤世(左)

 オリックスのドラフト9位、赤間謙投手(25)は福島県楢葉町出身。11年の東日本大震災で実家が被災した。「(神戸にも)同じ境遇の人たちがいる。あらためて野球ができていることを幸せに思いますし、これが当たり前だと思ってはいけないと感じました」

 福島第一原発からほど近い実家は、東日本大震災で半壊し、その後解体された。現在も父の雄二さんはいわき市の仮設住宅、母の貞子さんは千葉市で避難生活を送っている。楢葉町の避難指示が解除されたのは、昨年の9月5日。昨年末、成人式以来という帰省で目にしたものは、変わり果てた街並みだった。「不思議な感じがしました。本当にここが自分の故郷なのか」

 同じ震災の爪痕が残る神戸で、プロ生活をスタートさせたのも運命かもしれない。昨年12月24日に楢葉町役場で行われた激励会で、松本幸英町長から「君が頑張ることで喜んでくれる人たちがいるから」と言葉を掛けられた。「プロ野球選手は、勝つことやプレーすることで、勇気や力を与えることができる。そういう思いを持って、これからもやりたい」。2つの故郷を背負う。赤間には使命感がある。(鶴崎 唯史)

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2016年1月18日のニュース