菊池 究極のテーマ「いかに失策ゼロに近づけるか」

[ 2016年1月9日 09:00 ]

ノックを受ける菊池

 目指すは究極の「0」だ。広島・菊池涼介内野手(25)が8日、静岡県伊豆市で自主トレを公開。昨季10個だった失策数を減らし、「いかにゼロに近づけるか」を自らのテーマに掲げた。打撃でも意識改革を図り、投手陣のバックアップを約束。チームのけん引役として攻守両面で存在感を発揮し、25年ぶりとなる悲願のリーグ制覇に貢献する意気込みだ。

 今年に懸ける意気込みが始動に表れていた。実家のある東京都内で「例年より早い」元旦から動き始め、6日夕に静岡入りした菊池。前日7日には伊豆・修善寺の天城ドームで久本、野間らと自主トレを開始した。15日までの9日間。ただ、今回は従来と趣が異なる。

 「基本は例年通りだけど、今回はケガした箇所のケアもやる。シーズン中はテーピングを巻いていたし、負荷をかけた運動ができなくて、膝が細くなっているので」

 昨季序盤に見舞われ、攻守で不振の要因となった両膝痛。秋季練習、キャンプを別メニュー調整したことで「動きに関しては嫌な感じはない」と言う。13日に検査予定。問題ない…となればピッチは上がろう。25年ぶりのVを目指す今季。最もこだわるのは守備だ。

 「打たせて取るタイプの投手が多いので、今季は万全(の状態)で補殺数を増やしたい。いかにエラーをしないか。究極のテーマだけど、いかにゼロに近づけるか」

 13年(528個)、14年(535個)と、二塁手のシーズン最多補殺のリーグ記録を2年連続で更新。だが、膝痛を抱えた昨季は484個にとどまった。一方で失策数は前年の12個から10個に減り、守備率・988。縦横無尽に動き回り、ゼロに近づければ補殺上位3傑独占は十分可能だ。

 打撃では昨季の反省を生かす。丸とともにチームリーダーに指名されながら、ここ一番では責任感が空転した。「オレがやらなきゃ…という思いが強すぎた。引っ張る気持ちは変わらないけど、今年はいつも通りにやりたい」。意識改革。実績があるだけに、心身が万全なら復調は必至だ。

 この日はドジャースに移籍する前田健の入団会見があった。「マエケンさんに“あけおめ、招待して”とLINEで送ったら“自分で来い”と返ってきた」。報道陣を笑わせつつ、エースが抜けた穴を埋める決意を、真面目に示してみせた。

 「投手陣に頑張ってもらい、ボクらもフォローしながら戦いたい」

 野手陣の総意。チームのけん引役を自覚するからこその発言だ。目指すは究極の「0」、そしてリーグの頂点。故障が癒え、菊池がまた輝く。(江尾 卓也)

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2016年1月9日のニュース