【今秋ドラフト注目選手】No.1野手は日大・京田 希少な大型遊撃手

[ 2016年1月7日 09:13 ]

堅実な守備でドラフト上位候補に挙がる日大・京田

 正義だけじゃない!創価大の156キロ右腕・田中正義投手(3年)が超目玉となる2016年ドラフトで野手No・1として注目を集めているのが、東都大学リーグの日大・京田陽太内野手(3年)だ。スケールの大きい遊撃手は決意を新たに大学ラストイヤーに臨む。また、6日には早大、東海大などが練習始めを迎え、東京新大学リーグの流通経大・生田目(なばため)翼投手(3年)が同じリーグのライバルである田中の連勝を止めると意気込みを語った。

 おぼろげだった夢は、現実の目標に変わった。プロでも希少な1メートル84の大型遊撃手、京田は「高校時代は技術もなかった。大学に入ってから、ドラフトにかかる選手になろうと思ってやってきた。チームが勝てば自分の結果もついてくる」と語気を強めた。

 ドラフト候補に挙がった青森山田時代は、光星学院(現八戸学院光星)の壁を破れず、甲子園には出場できなかった。ライバル校で注目を集めていた北條(阪神)、田村(ロッテ)の3、4番コンビを間近で見て「あの2人はいつも安定した成績を残して凄いなと思っていた」と、自身はプロ志望届を提出せずに、進学を決めた。

 日大では1年春からベンチ入り。食事量を増やしながら、本格的にウエートトレーニングにも着手し、体重は3年間で7キロ増えて80キロになった。3年春までは2部リーグで苦しんだが「体を大きくした成果が少しずつ出た」と、初めて1部に昇格した3年秋には遊撃手部門でいきなりベストナインを受賞。4番打者としてサヨナラ打を放つなど勝負強さを発揮し、50メートル5秒9の俊足を生かして8盗塁、守備でもわずか1失策と走攻守でチームに貢献した。今年は主将に就任し、チームを引っ張る。

 グラブに「失策厳禁」と刺しゅうを入れているように、守備へのこだわりは強い。昨秋は東都1部のレベルの高さを感じながら「打撃がいいので、打球が速かった。守っていて楽しかった」と振り返る。同じ遊撃手で、国学院大からDeNAにドラフト3位指名された柴田の守備を参考にし「柴田さんのところに打球が飛んだら確実にアウトにしてくれる。そういう信頼感、安心感を与えられるようになりたい」と冬場は基礎練習を繰り返した。

 阪神、ヤクルトをはじめ各球団は上位候補にリストアップしている。ある球団幹部は「田中(創価大)が一番人気になると思うけど、最上位で消える選手になるかもしれないね。走攻守のバランスがいい」と即戦力としての評価を口にする。

 周囲が騒がしくなるラストイヤー。京田は春のシーズンの目標に「打率・350、無失策、10盗塁」を掲げた。野手No・1の称号を胸に、今秋のドラフト指名を待つ。 (川島 毅洋)

 ≪京田 陽太(きょうだ・ようた)≫

 ☆生まれ、サイズ 1994年(平6)4月20日、石川県生まれの21歳。1メートル84、80キロ。右投げ左打ち。50メートル5秒9。遠投100メートル。

 ☆球歴 寺井小2年時に野球を始め、寺井中では「白山能美ボーイズ」に所属し3年夏に全国大会出場。青森山田では1年春からレギュラーも甲子園出場はなし。日大では1年春にリーグ戦デビュー。1部に昇格した3年秋に遊撃手部門でベストナイン獲得。

 ☆家族 両親と妹。母・太佳子さんは高校時代に陸上でインターハイ出場。

 ☆ルーティン 打席に入る前には両足でジャンプする。「重心を両足均等にしてから構える方がいい。先輩に教えてもらいました」

 ☆好きな野球選手 「憧れは阪神の鳥谷さん」

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