“レオの五郎丸”西武ドラ7呉念庭 台湾流“烏龍茶”ルーティン

[ 2016年1月6日 06:51 ]

呉念庭は持参したウーロン茶葉を手に五郎丸のルーティンポーズ

 「獅子の五郎丸」だ!西武のドラフト7位・呉念庭(ウー・ネンティン)内野手(22=第一工大)が5日、埼玉県所沢市の若獅子寮に入寮した。台湾出身とあって、故郷の名産品でもある高級烏龍(ウーロン)茶葉3カ月分を持参。ラグビー日本代表の五郎丸歩にそっくりな俊足内野手は、試合前のティータイムをルーティンにして、西武のポイントゲッターを目指す。

 プロ生活の拠点に足を踏み入れた呉念庭は、「台湾茶人」と書かれた金色のパッケージを大事そうに握りしめていた。台湾出身とあって烏龍茶は生活必需品で「お茶を飲むと落ち着くんです」とニッコリ。報道陣から「五郎丸に似ている」と言われると、お決まりのポーズも披露しながら「試合前にお茶を飲むことをルーティンにして、いっぱいヒットを打つ」と抱負を口にした。

 アマチュア時代は無名だが、西武とは「縁」がある。父・呉復連(ウー・フーリエン)氏は台湾プロ野球の英雄で、バルセロナ五輪の銀メダリスト。現在は中信兄弟エレファンツの監督で、昨年11月の国際大会「プレミア12」では代表ヘッドコーチも務めた。高校時代は元西武のエースだった郭泰源氏と、プロでは嘉南勇士で渡辺久信SDとチームメートだった。渡辺SDは幼少期の呉念庭を覚えており「よくグラウンドをちょこちょこしていたんだよ。グラブさばきやリストの強さは二塁手だったお父さんにそっくり」と懐かしそうに話し、「五郎丸?似てるね」とうなずいた。

 7位指名だが、素材は一級品だ。50メートル5秒8の俊足で、広角に打ち分ける打撃スキルも兼ね備える。年末に台湾に帰省した際には、台北市内のグラウンドで日本ハム・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)とも念願の初対面を果たしたそうで「陽さんは英雄。オーラが凄かった」と目を輝かせた。夢は20年の東京五輪で台湾代表として父のようにメダルを獲得することだ。

 ラグビーW杯の日本戦は全試合テレビ観戦したという呉念庭。「プロでは1番か2番を打って、五郎丸さんのようにたくさん“得点”したい」。日本のプロ野球でスターになることが夢の実現への最短ルートとなる。(重光 晋太郎)

 ◆呉 念庭(ウー・ネンティン)1993年6月7日、台湾・台北市生まれの22歳。高校から日本の岡山共生に野球留学。甲子園出場経験はなし。第一工大(鹿児島)では1年から「1番・遊撃」でレギュラーを獲得し、2年からは「3番・二塁」。好きな言葉は「一生懸命」。遠投は110メートル。1メートル78、75キロ。右投げ左打ち。

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