大谷 13年無敗マーに迫る「ゲームスコア」先発総合力の証明

[ 2016年1月5日 07:33 ]

日本ハムの大谷

 プロ野球記録連載「なんでもランキング」新年編として、先発投手の総合力をランク付けする。昨季リーグ3冠の日本ハム・大谷と、広島から大リーグに挑戦する前田健。日、米で今季注目を一身に浴びる2人の実力を「ゲームスコア」という数値で示す。

 「ゲームスコア」は、野球統計学のセイバーメトリクスで先発投手を評価する数値。1試合の投球内容を総合的なポイントで採点し、どれだけ相手を圧倒したかを示す。50点からスタートし、アウトを1つ奪うたびに1点増加。さらに三振を奪うとプラス1点、安打を許せばマイナス2点など、内容により点数が増減する。9回試合では114点が満点。大リーグでは公式記録に併記されるなど、認知度は高い。

 15年セ・パ両リーグで規定投球回に到達した28人について、先発した全試合のゲームスコアの平均を算出し、ランキングした。堂々の1位は大谷で、68.7。2位は前田健で64.0だった。3位は巨人・マイコラス、4位は広島・ジョンソンと外国人が続いた。日本人の先発投手では、大谷と前田健の実力が傑出していたことが分かる。

 近年日本で圧倒的な成績を残して大リーグに移籍した投手に、ダルビッシュと田中がいる。11年ダルビッシュ(日)の平均ゲームスコアは、76.5と圧巻の数値。24勝0敗の成績を残した13年田中(楽)は69.4だった。昨季の大谷は、13年の田中にかなり近い内容だったことが分かる。

 比較すると前田健の数値はやや劣るが、理由の一つに昨季完封がなく、シーズン最高値が平均上位10人で最も低い80止まりだったことがある。それでも昨季の前田健は両リーグ随一の安定感を誇った。試合数の多い大リーグでは完封数より、合格点の投球を継続して重ねることが重要とされる。先発としてゲームメークに徹すれば、十分に好成績を残せるだろう。(記録課・矢吹 大祐)

◇15年平均ゲームスコア10傑◇
順位 投手名 ゲームスコア
(1)大谷(日) 68.7
(2)前田健(広) 64.03
(3)マイコラス(巨) 63.95
(4)ジョンソン(広) 63.2
(5)菅野(巨) 62.6
(6)藤浪(神) 62.1
(7)大野(中) 61.3
(8)西(オ) 60.83
(9)則本(楽) 60.75
(10)メッセンジャー(神)59.7

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2016年1月5日のニュース