桜井 甲子園「青」に染める 巨人ドラ1を母校の色で後押し

[ 2016年1月4日 05:30 ]

須磨海岸の願いが叶うという椰子の木の前で投球フォームを見せる巨人のドラフト1位・桜井

 巨人ドラフト1位の桜井俊貴投手(22=立命大)が3日、神戸市の須磨海水浴場で始動した。北須磨高時代に汗を流した地で走り込んで原点回帰。周囲は大きな期待を寄せ、今年に入り、同校野球部OB会が後援会設立に乗り出した。スクールカラーの水色の応援グッズを作る計画。地元甲子園の阪神戦登板時には黄色一色のスタンドにあって、「青」が右腕に勇気を与えそうだ。

 砂浜に足が取られる。100メートルダッシュを10本終えた頃には太腿がパンパンに張った。桜井には懐かしい感覚だった。

 「自分の原点。高校の時に、この海岸で鍛えられた。新たなスタートという気持ちで練習した」

 プロ生活を控え、始動に選んだのは高校時代に冬季トレーニングを行った砂浜だった。週に数回「須磨海岸」というメニューがあり、そのたびに憂うつになったという。約3時間の走り込み。いつも足を引きずりながら帰宅した。4年ぶりに訪れ「“全力プレー”。それだけは変えずに、プロでも継続したい」と、原点を思い出した。

 甲子園出場のない公立校の北須磨野球部から初めて誕生したプロ野球選手のために、後援会を立ち上げる動きがある。母体は10年に誕生したばかりの同校野球部OB会。同年夏の兵庫大会で2年生エース・桜井の2試合連続完封で16強に進んだことで、甲子園出場を見据えて大慌てでつくられた会だ。OB会員約400人が中心となる後援会では、同校のスクールカラーの水色を使ってタオルなどの応援グッズをつくる計画。「桜井が登板するときは、甲子園を水色で占拠したい。後援会、OB会はもちろん、在校生も行く」と山川亨OB会会長(51)。桜井にとっては黄色一色のアウェーとなる伝統の一戦で、左翼席の一角を青く染めて勇気づけたい考えだ。

 須磨海岸には、願いごとをするとかなうとされる5本のヤシの木がある。桜井は「開幕1軍を目標に、2桁勝利を達成できればいい。とにかくケガをしないことをお願いしたい」と話した。広がる夢を、周囲も後押ししていく。(神田 佑)

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2016年1月4日のニュース