16年は豊作ドラフト 高校、大学、社会人に目玉級投手

[ 2016年1月1日 14:00 ]

(左から)履正社・寺島、創価大・田中、東京ガス・山岡

 高橋純平(県岐阜商高→ソフトバンク)、小笠原慎之介(東海大相模高→中日)、平沢大河(仙台育英高→ロッテ)、オコエ瑠偉(関東第一→楽天)など、将来有望な高校生に注目が集まった2015年のドラフト戦線。

 2016年が始まったばかりだが、すでに秋のドラフト会議に向けて、各球団のスカウトたちは西へ東へ駆け巡っている。今年は高校・大学・社会人、どのカテゴリーにも目玉クラスの選手がおり、いつにもまして“豊作”だと言われている。そんな注目選手の中で、ドラ1競合必至となる各カテゴリーのNo.1ピッチャーをひとりずつ紹介しよう。

◎田中正義(創価大)

 2016年のアマチュア野球界の主役となる大型ピッチャー。もしかしたら過去最多の8球団を超える1位入札球団が出てくるかもしれない。創価高時代は外野手だったが、創価大進学後にその才能が開花。大学2年時の大学選手権、佛教大戦で初回から150キロ台のストレートを連発。終わってみれば無四球完封で一躍注目を集めた。

 大学3年となった2015年は、さらに進化した姿を見せつけた。6月に行われた侍ジャパン大学日本代表対NPB選抜での試合では、若手主体のNPB選抜に対して7者連続三振を奪う圧巻のピッチングで、さらに評価を上げた。

 秋の東京新大学リーグでは、共栄大戦でノーヒットノーランを達成するなど6勝0敗、防御率0.00と驚異的な成績を残す。創価大のリーグ優勝に貢献し、リーグMVPを受賞した。

 明治神宮大会の予選となった関東地区大学選手権では、関東学院大戦に10奪三振の完投。準決勝の上武大戦は5回途中から登板して11奪三振をマーク。試合には敗れるも、その存在感を見せつけた。大学ラストシーズンとなる2016年、田中正義のピッチングから目が離せない。

◎山岡泰輔(東京ガス)

 172センチと小柄ながら、マウンド度胸と鋭いスライダーが魅力の好投手だ。瀬戸内高時代の3年夏、広島大会決勝戦で新庄高・田口麗斗(巨人)と延長15回を投げ合い、引き分け再試合。再試合では、なんと完封して甲子園出場を決めた。

 甲子園では初戦敗退に終わってしまったが、その投球を動画で見た、というダルビッシュ有(レンジャーズ)がツイッター上で絶賛し話題を呼んだ。18U世界野球選手権の日本代表に選出され、リリーフとしても活躍した。

 高校卒業後は社会人の東京ガスに入社。1年目から登板機会を得たように実力は社会人の一線級と遜色が無く活躍し、11月に台湾で行われた21Uワールドカップの日本代表に選ばれた。2年目となる2015年は、新球チェンジアップをマスターして投球の幅を広げ、先発として活躍を見せる。9月のアジア選手権では3年連続の侍ジャパン入りを果たし、中国戦と台湾戦の2試合に先発した。

『野球太郎No.017』のインタビューでは、杉浦正則コーチから曲がりの小さいスライダーを教わったことを明かし、「小さな子どもが憧れるような選手になりたい」とプロへの思いを語っている。

◎寺島成輝(履正社高)

 2015年は永谷暢章、溝田悠人と2人の3年生好投手を擁した履正社高。2016年は本格派左腕・寺島に注目が集まる。新チームではキャプテンを務め、打線では4番を任される投打の軸だ。

 1年夏から公式戦に登板し、秋には永谷、溝田を抑えて背番号1を奪い、注目を集める。2年夏は背番号11となるものの、「事実上の決勝戦」となった2回戦・大阪桐蔭高戦に先発。しかし、1-5で敗れる悔しさを味わった。

 秋からの新チームでは2回戦の高槻高戦で、5回参考記録ながら完全試合を達成。準決勝では再び大阪桐蔭高と対戦。夏の借りを返すべく先発した寺島は11奪三振を挙げるも、1-2で逆転負けを喫してリベンジはならなかった。

 近畿大会出場が懸かった3位決定戦の阪南大高戦では最少失点に抑えるが、味方打線が無得点に終わり、センバツ出場の望みが絶たれた。

 最速148キロの大型左腕でもキレイなフォームでコントロールもいい寺島に対して、プロのスカウトの評価は高い。(『週刊野球太郎』編集部)

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2016年1月1日のニュース