松井氏は愛され上手 ファンと軽妙トークで由伸監督に“お手本”

[ 2015年12月28日 05:30 ]

子どもたちの前でフリー打撃を披露した松井氏は絶叫する

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(41=ヤ軍GM特別アドバイザー)が27日、川崎市のジャイアンツ球場で野球教室を行った。少年少女にキャッチボールや打撃を指導し、最後は自らフリー打撃を実演して場内を盛り上げた。巨人時代のチームメートである高橋由伸新監督(40)には、勝つことと同時に、ファンに愛されるチームづくりを期待した。

 ファン「松井君、サインして~」

 松井氏「ごめん。この後、予定があるから。大田が書きに来るよ」

 ファン「松井君、遅刻は得意じゃない」

 松井氏「既に遅刻しているから。急がないと」

 野球教室終了後の一コマだ。ヤンキース移籍が決まった02年オフ以来、13年ぶりにジャイアンツ球場で体を動かした。所用のため慌ただしく引き揚げる松井氏とファンとの間での、ほほ笑ましいやりとり。周囲が温かい空気に包まれた。

 そんな松井氏は、高橋新監督へのエールを求められると、こう答えた。

 「期待は凄くしていますよ。勝つという意味でも、ファンに愛されるという意味でも。凄く期待しています」

 巨人は今季、4年ぶりにリーグ優勝を逃した。現役時代に一緒にクリーンアップを固めた高橋監督に対し、常勝軍団の再建とともに望んでいるのが、「ファンに愛される」チームづくり。松井氏自身のように、実力も人気も突出し、誰からも好かれるスーパースターの育成もその一つだ。

 フリー打撃実演では15スイング中、2本の柵越えを披露した。右翼ポール際への飛球には野球少年から「ファウル!」の判定。「ポール巻いたよ、今!」とちょっぴりムキになって打ち直し、最後に文句なしの一発を放って沸かせた。ミスショットも多く「駄目ですね。まだフェンスを越えることだけは分かりましたよ」と苦笑いしていた。

 来年2月には巨人の宮崎キャンプを3年連続で訪ねることが濃厚だ。この日のパフォーマンスには「プロ野球選手に見せられるような打撃じゃないでしょう」と自嘲気味だったが、引退後3年を経てもパワーと存在感は健在。14年キャンプ以来の実演指導となれば、また違うゴジラが見られるはずだ。 (大林 幹雄)

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