西武ナインの肘、肩のケガ減らした「二刀流」中野コーチ 特殊な経歴

[ 2015年12月21日 08:11 ]

 西武には「二刀流コーチ」がいる。中野達也トレーニングコーチ(32)。選手のコンディショニングを行い、体幹や筋力を鍛える練習メニュー作成、管理をするトレーニングコーチでありながら、「PT」の資格を持つ。

 PTとは病院でケガのリハビリなどを行う理学療法士のこと。球界で、この資格を持っているトレーニングコーチは極めて異例だ。強みは解剖学と生理学をもとに人の体の仕組みを知っていること。そのため、ケガしないような体づくりを心がけることができる。「ケガをさせないギリギリのところで、トレーニングができる」と説明する。今季、チームでは肘、肩のケガが減った。

 その経歴は特殊だ。波佐見高(長崎)を卒業後、帝京大福岡医療技術専門学校に入学。そこで恩師・日野邦彦氏(現帝京大福岡医療技術学部教授)と出会い解剖学、生理学を学んだ。卒業後は同氏の紹介で、佐賀県内の病院に5年間勤め、けがをした小中高の生徒たちを中心に、リハビリをサポートした。そんな中、西武から誘いを受け12年に入団。独自のトレーニング理論で14年から1軍に昇格した。

 自身の苦い経験が、選手を育てる上で役に立つ。波佐見高では野球部に所属し、3年時の01年夏に甲子園出場。「1番・左翼」で聖地の土を踏んだ。しかし高校3年間で右肩を痛めた影響で、プロへの道は諦めざる得なかった。「子供たちにはケガをせず、最後まで悔いなく野球をやって欲しい」。それが、スポーツ医療を志した動機だ。

 「学生時代と病院務めの計8年間が、今の糧となっている」と話す同コーチ。「様々なトレーニングがあるけれども、人間の体は普遍的なので、古き良きものを取り入れつつ、それに少しだけスパイスを加えて、新しいトレーニングをつくっていきたい」。来季に8年ぶりのリーグ制覇を目指す西武を、縁の下で支える。(神田 佑)

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