「SENA」と「RYO」 甲子園沸かせた両腕がオリで新ストーリー

[ 2015年12月21日 05:30 ]

「SENA」と「RYO」と書かれた佐藤世(左)と吉田凌(右)にはさまれ笑顔の福良監督

 オリックスの新入団選手発表会見が20日、大阪市のホテルであり、育成2人を含むドラフト指名12選手がユニホーム姿で勢揃いした。今夏の甲子園優勝校、東海大相模から5位指名の吉田凌投手(18)と、準優勝校の仙台育英から6位指名の佐藤世那投手(18)にとっては、新たなライバルストーリーの幕開け。2人はチームメートとして、切磋琢磨(せっさたくま)を誓った。

 先に勝つのはオレだ! 佐藤世那の目は、チームメートになる吉田凌との競争に燃えていた。同じ高卒ルーキーでも5位の吉田凌の背番号は「66」で、6位の佐藤世が「67」。今夏の甲子園では優勝と準優勝で、大相撲に例えると番付が一枚下の状態だ。これからはプロ。黙っていられない。追う立場だ。

 佐藤世は「勝ち星だけは自分が早く挙げたい」とキッパリ。高卒ルーキーの初星は、絶対に譲らない構えだ。もちろん、それだけが目標ではない。「目指すのは新人王。いい争いができれば」と、2人でのタイトル争いを夢に描いた。

 吉田凌の東海大相模は中日のドラフト1位左腕、小笠原との2枚看板で頂点に上った。半面、世那には、ほとんど1人で投げ抜いて仙台育英を決勝に導いた自負がある。聖地の力投を振り返り「プレッシャーの中で戦った。しっかり糧にしたい」とメンタルにも自信をのぞかせた。

 対照的に、受けて立つ吉田凌は「世那は気さくで優しい。これから世那と切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と負けん気を封印し、静かに闘志を燃やした。

 登録名は未定も、2人の真新しいユニホームの表記は凌が「RYO」、世那が「SENA」。どちらの名前が先に売れるか。その背中を見た福良監督は「甲子園で場数を踏んでいる。期待しています」と2人とも頼もしそうだった。 (水口 隆博)

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