「引退怖い」…中日・川上憲伸 再契約目指し浪人した理由

[ 2015年12月17日 10:25 ]

10月20日、中日退団会見を行った川上

 山あり谷ありの野球人生を経て、川上は一つの境地に達した。「引退する必要があるのかな」。復帰は限りなく難しくても、自ら可能性を閉ざす理由はない。中日の元エースはあえて引退を宣言せず、浪人の道を選択した。

 「引退は怖い。もし、そうと決めれば泣くだろうし、知らぬ間にいつの間にか終わっていればいいなと思うんです」

 右肩痛のため、今年一年は登板していない。9月末には太腿の筋膜を肩に移植する大手術を受け、投げられるまで半年以上はかかる。それでも前向きでいられるのは、根底に「まだやれる」という自信と「野球がしたい」という至極純粋な気持ちがあるからだ。

 97年ドラフト1位で中日入団。08年オフにはFAでメジャー移籍。ただ、米国で思うような結果が出せず、12年に中日に再入団。13年オフには一度戦力外通告を受けながら、異例の再契約も経験した。「とりあえず公園で自主トレして、やれると思ったら、どうせなら中日のテスト受けようかな。4度入団なら、山本昌さんより凄い記録じゃないですか?」。いつピリオドを打つかは分からない。ただ、波瀾(はらん)万丈の野球人生は最後も憲伸らしく締めくくるはずだ。(山添 晴治)

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