侍守護神・松井裕もセレクションで落とされた超ハイレベルな大会とは?

[ 2015年12月17日 08:00 ]

侍ジャパンの抑えを務めた松井裕

 年の瀬が迫った27日に宮崎で開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント」。今年で11回目を迎える同大会は、小学5、6年生がプロと同じユニホームを着て日本一を争う。とにかくレベルが高い。過去には森友哉(西武)がオリックスJr.で優勝、今秋ドラフトで楽天から1位指名を受けたオコエ瑠偉(関東第一)がジャイアンツJr.で準優勝。また、プロ2年目の今季に3勝を挙げた田口麗斗(巨人)も広島Jr.の一員として出場した。

 今大会でも広島Jr.の主将に通算2119安打を放った元広島・前田智徳氏(44)の二男・晃宏(小6)、阪神Jr.に智弁和歌山・高嶋仁監督(69)の孫の高嶋奨哉(小6)らがメンバー入り。さらにソフトバンクJr.に最速130キロ超の関戸康介(小6)、西武Jr.にソフトボール投げ91メートルの“全国記録”を持つ野中駿哉(小6)など多彩な顔ぶれがそろう。

 少子化に伴う野球振興策の一環として始まった同大会だが、97、98年に横浜で首位打者を獲得した鈴木尚典氏(43)が監督を務めるDeNAJr.のセレクションには過去最高となる690人が集まったという。「その中の18人。レベルの高い選手を選抜した。悲願の初優勝を目指して、9月の第一週から練習をスタートさせました」と鈴木監督。実は楽天で今季に球団記録となる33セーブを挙げ、「プレミア12」で侍ジャパンの守護神を務めた松井裕(楽天)も07年に同大会に出場しているが、小5だった前年には横浜(現DeNA)Jr.のセレクションに不合格。「2次試験で落とされて、そこから“ベイスターズJr.に入りたい”という思いで必死に練習した。その目標のために1年間努力を続けたということが、大会に出場したこと以上に有意義だったというか、印象に残っていますね」と振り返る。

 今後の日本球界を背負う逸材を預かる指導者も真剣そのもの。組み合わせ抽選の結果、予選で同グループに入った阪神Jr.とオリックスJr.は互いの「手の内隠し」から予定していた2試合の練習試合をキャンセルした。まさにガチ勝負。未来のスター候補を“先物買い”する意味でも、一見の価値あり、だ。(東山 貴実) 

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2015年12月17日のニュース