巨人・村田 三塁渡さん「全試合出る」 長男闘病の“原点”で誓う

[ 2015年12月16日 06:52 ]

神奈川県立こども医療センターの康井総長(左)に医療寄付の目録を手渡し感謝状を受け取る村田

 巨人・村田が神奈川県横浜市の県立こども医療センターを訪問し、新生児集中治療室(NICU)の新生児や保護者らを激励した。未熟児で同センターに通院していた長男・閏哉=じゅんや=君(9)が同行。

 「今の僕があるのは閏哉のおかげ。もう一度、そういう気持ちになってみんなに元気を与えたい。来季は三塁のレギュラーを獲るという強い気持ちで取り組みたい」と復活を誓った。

 06年2月、閏哉君はわずか712グラムで生まれ、すぐにNICUに移された。生後6日で腸から大量出血して生死をさまよい、容体が安定して村田が初めて抱っこしたのは生後2カ月だった。8月に退院。懸命に生きる長男の姿に胸を熱くした村田は同年、34本塁打をマークし、07年から2年連続で本塁打王に輝いた。愛息が長距離打者の才能を開花させてくれた。

 村田は08年から新生児医療の支援に取り組み、打撃成績に応じた基金を設けて施設訪問を続ける。閏哉君と一緒に病棟を回ったのは初めて。未熟児の保護者から「閏哉君のように大きくなるように頑張ります」と感謝された。9年前の自身と同じように必死に生きる命に目を潤ませる閏哉君の姿も、心に染みた。

 今季は故障が続き、103試合の出場で打率・236、12本塁打。1安打につき1万円を贈る基金はCSを含めても79万円にとどまった。「安打が少なかった。来季は開幕スタメンを獲り、全試合出るつもりで調整します」。西武から脇谷、ロッテからクルーズが加入し、岡本も台頭が期待される。し烈な三塁争いを勝ち抜き、輝きを取り戻す。(青木 貴紀)

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2015年12月16日のニュース