西武新人10選手は全員2軍キャンプから 田辺監督「上がってこい」

[ 2015年12月13日 10:25 ]

富士吉田市で行った野球教室でノックを打つ田辺監督

 新人よ、はい上がってこい!西武・田辺監督が、ドラフト1位の富士大・多和田を含む新入団10選手全員の来春キャンプB班(2軍)スタートを明言した。12球団最速で1、2軍の振り分けを決めた指揮官は「新人は全員2軍という方向。蹴落とすわけじゃないけど、かなりのアピールをして上に上がってこいということ」と話した。

 12球団で最も多い10選手を獲得しながら、全員がB班スタート。前日の新入団発表でスポットライトを浴びた選手たちにとって非情な通告だったが、それには意図がある。指揮官は「新人はオーバーワークになりがち。1軍の雰囲気にのみ込まれて、故障をしたらもったいない」と説明した。10年にA班(1軍)でスタートした菊池は左肩痛を発症して1年目の登板はなし。11年の大石も同様で現在も右肩痛に苦しむ。鈴木葉留彦球団本部長も「エース級の先輩が横で投げていると力が入る。つられて投げて、肩を痛めるというケースになりがち」とし、話し合いを重ねてきた。

 ここ2年の成功例も、決断を後押しした。13年ドラフト1位の森、14年同1位の高橋光は1軍レベルの力がありながら、「じっくり育てる」という球団方針でB班スタートを切った。ともに夏場に昇格すると、森は3戦連続本塁打を放ち1軍定着。高橋光は8月9日オリックス戦(京セラドーム)から5連勝し、8月度月間MVPに輝いた。

 この日、地元の山梨県富士吉田市で野球教室に参加した田辺監督。今秋キャンプでは、球団史上初めて1、2軍コーチを合同で宮崎・南郷に招集し、風通しの良い体制を築いてきた。8年ぶりの日本一を目指す指揮官は、富士山を背にしながら「2軍と連携を密にして様子を見ていく。キャンプ中でも、オープン戦中でも、頑張れば昇格はある」と新人に奮起を促した。(神田 佑)

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2015年12月13日のニュース