もう一度…中日・岩瀬 2億5000万円ダウンも「やれる自信はある」

[ 2015年12月8日 05:30 ]

2億5000万円減の5000万円でサインした中日・岩瀬

 中日の岩瀬仁紀投手(41)が7日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、年俸5000万円でサインした。今季年俸3億円から野球協約の減額制限(1億円超は40%)を大きく超える83%減。ダウン額2億5000万円は、13年巨人・小笠原の3億6000万円に次ぎ史上2位となった。今季は春のキャンプで左肘を痛めた影響で、1、2軍ともに公式戦での登板がなかった。

 「今年一年、何もしていないので覚悟はしていた。金額は関係ない。目標は上(1軍)で投げること。1年間試合で投げていないし、ある意味、新鮮な気持ち。今、投げているボールを見たらやれる自信はある」

 新人の99年から13年までプロ野球記録の15年連続50試合登板を樹立した鉄腕が、今季は投げられない苦しさと戦い続けた。朝起きてみないと肘の状態が分からない日々が続いたそうで「やっと投げられると思ったときに必ずおかしくなった。非常にきつかった」。9月上旬には落合博満GMと面談。「“やめろ”と言われたらそのつもりだった」と振り返る。

 「やるのか、やめるのかという選択の中で“投げられるなら来季もやりたい”と伝えた。GMに“じゃあ、好きにしろ”と言われたところから始まった。調整していく中で、ここ1カ月弱の間に投げられる自信がやっとできたんで“契約をお願いします”となった」

 山本昌、谷繁、和田、小笠原。チームのレジェンドたちがそろって引退を決断した中で、ただ一人現役続行の道を選んだ。「ケガで終わりたくなかった。投げて、結果を見て終わりたい」。今さら抑え以外はやれない。プロ野球最多記録の通算402セーブを挙げてきた誇りをかけ、もう一度、9回のマウンドを目指す。 (山添 晴治)

 ▼中日・西山和夫球団代表 1年間1軍におらず、この金額にならざるを得ない。体の不安を払しょくできればチームの力になってくれることは分かっている。

 ≪ダウン率歴代3位≫岩瀬が年俸5000万円で更改。今季年俸は3億円で、2億5000万円は金額で歴代2位、83%は率で歴代3位の大幅ダウンとなった(移籍のケースを除く)。かつて4億円を超える高額年俸を稼いだ選手は大リーグに移籍するか、高額年俸のまま引退するのが主流。だが近年は今季の小笠原(中)や松中(ソ)のように、年俸1億円を切っても現役続行を選ぶケースが増えている。

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2015年12月8日のニュース