楽天・則本 男気!ビジター用風呂要求「ケガのリスク増える」

[ 2015年12月6日 05:30 ]

契約を更改した則本は来季の目標にゼロからのスタートだとして色紙に「零」と書く

 楽天の則本昂大投手(24)が5日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円増の年俸1億5000万円でサインした。10勝11敗と3年目で初めて負け越したが防御率2・91、タイトルを獲得した215奪三振はいずれも自己ベスト。「最大限の評価をしてもらった。もっと成長し、評価にふさわしい成績を残せたら」とエースの自覚を示した。

 交渉の席では球団に異例の要求をした。シャワーのみしかない本拠地・コボスタ宮城のビジターチーム(一塁)側にも風呂を用意できないかと要望。「寒い時期に浴槽がないと、温まれないのでケガのリスクが増える」と意図を説明した。自軍側ならいざしらず、ビジター側の設備に意見するのは極めて珍しい。

 だが、敵に塩を送るのは則本なりの理由がある。春先、秋口は冷え込むこともある仙台。侍ジャパンの一員として出場したプレミア12では他球団の選手と交流し、施設についての意見も聞いた。「グラウンドを離れたら、仲の良い選手もいる。そういう人たちの体のケアも大事」。プロ野球界の発展を願ってこその“男気”要求。他球場ではビジター側にも浴槽があるのが一般的とあって、安部井寛チーム統括本部長は「球団内で検討したい」と前向きに話した。

 プレミア12は準決勝の韓国戦で大逆転負けの敗戦投手となった。「糧にしないと駄目。なぜ抑えられなかったのか考えて課題を克服し、来季以降の野球人生にプラスにしていけたら」。悔しさはきっと、成長の源となる。 (徳原 麗奈)

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