山田&柳田「ビックリ」流行語大賞 五郎丸欠席「来ていたら負けていた」

[ 2015年12月2日 05:30 ]

「トリプルスリー」で年間大賞を受賞したヤクルト・山田(左)とソフトバンク・柳田

 今年話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が1日、東京都内で行われ、年間大賞には「トリプルスリー」が「爆買い」とともに選ばれた。今季のプロ野球で打率3割、30本塁打、30盗塁の大記録を達成したソフトバンク・柳田悠岐外野手(27)とヤクルト・山田哲人内野手(23)が表彰式に出席。受賞本命ともみられたラグビー日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)を差し置いての栄誉を喜んだ。

 無数のカメラのフラッシュを浴びて壇上に立った柳田と山田は、どちらも驚きの表情だった。

 柳田「ビックリしました。気を抜いていました。ふさわしいかどうか分からないけど、一生の宝物がまた増えました」

 山田「年間大賞なんて思わなかったのでビックリ。凄いことをしたんだなと思った。光栄です」

 トップテンは、お笑い芸人・とにかく明るい安村の人気ギャグ「安心して下さい、穿(は)いてますよ。」や、プロテニスプレーヤー・松岡修造の熱のこもった言葉をまとめて大ヒットした日めくりカレンダー「まいにち、修造!」など強豪ぞろい。中でも、ラグビーW杯での歴史的3勝で一躍脚光を浴びた「五郎丸(ポーズ)」は、年間大賞に本命視された。五郎丸が大賞と思ったかという質問に、柳田が「そう、思いますよ、僕も!」と答えれば、山田は「きょう来ていなかったんで。来ていたら負けていたと思う」と笑った。

 プロ野球界からの大賞受賞は99年の「雑草魂」(上原浩治=当時巨人)、「リベンジ」(松坂大輔=当時西武)以来16年ぶり。ともにプロ5年目の柳田、山田が大記録に挑む過程は連日報道され、65年ぶりに同一年に2人が達成、いずれも所属チームが優勝して日本シリーズ出場…という中で話題を集め続けた。

 表彰ラッシュのオフを送る2人。この日は野球界の枠を超えたイベントで、新たな刺激も受けた。控室では、旭川実で甲子園出場経験を持つとにかく明るい安村と交流。そして、そろって感激していたのが松岡修造のスピーチだ。「僕の言葉を感じて、支持してくれた。応援することが生きがいの自分にとってこれ以上うれしいことはない」などの熱い語りに、柳田は「凄いトーク力で、もっともっと勉強したいと思いました」と言った。

 貴重な時間を経て、球界をさらに盛り上げていく思いは強まった。山田は「これを機にいろいろな人に球場に来て、野球が素晴らしいスポーツだと感じてほしい。それが僕らの仕事」と表情を引き締めていた。 (町田 利衣)

 ▽トリプルスリー シーズンを通じて、打撃部門で打率3割、30本塁打、30盗塁以上の成績を同時に残すこと。確実性と長打力、走力の各部門で極めて高い能力が必要とされる。1950年に別当薫(毎日)、岩本義行(松竹)が初めてマーク。今季の柳田は打率・363、34本塁打、32盗塁、山田は打率・329、38本塁打、34盗塁。02年の松井稼頭央(西武)以来、9、10人目の達成者となった。

 ▼ユーキャン新語・流行語大賞 84年スタート。毎年12月上旬に発表される。その年に発生した言葉の中で、軽妙に世相を突いた表現とニュアンスで、広く大衆の目・口・耳をにぎわせたものを選ぶ。読者審査員のアンケートを参考に「現代用語の基礎知識」(自由国民社)編集部がノミネート語を選出。姜尚中(カンサンジュン)氏(東京大学名誉教授)、俵万智氏(歌人)ら選考委員会によってトップテン、年間大賞を決める(現行方式は94年から)。

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