ソフトBドラ1純平 東京五輪で金獲る 寺原以来の満額合意

[ 2015年11月27日 06:00 ]

クリスマスツリーの前でシャドーピッチングを披露する高橋純平

 ソフトバンクからドラフト1位指名された県岐阜商・高橋純平投手(18)は26日、岐阜市内のホテルで交渉し、球団の高卒新人では01年の寺原以来となる契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円の満額で合意した。将来のエース候補は、20年に待つ東京五輪で野球競技が復活した際には、背番号18を背負って侍ジャパンの金メダルに貢献すると固く誓った。

 織田信長が天下布武への足掛かりとした岐阜城。高校3年間、往復1時間半の岐阜城登山ランニングで鍛えた思い出の城を望む場所から、高橋は世界制覇を宣言した。

 「プレミア12の前田健太さんのように日本代表の舞台で18番をつけられるような選手になりたい。近場にいい機会(20年東京五輪)があります。自分自身、大きな大会の優勝がないので金メダルは欲しいと思います」

 現在18歳の高橋は5年後、23歳になる。そこまでに日本球界を代表するエースになる道筋を見据えた。最速152キロを投げ込む素材は即戦力の呼び声も高い。ただ、本人は足元を見つめる。高校日本代表の一員として出場した今夏のU―18ワールドカップは準優勝。「外国の打者のパワーの差は感じた。一段階、二段階上げないといけない」と痛感した。2年連続日本一のソフトバンクでは「選手層が厚いので、1年目から新人王をとは言えません。走り込み、下積みをした上で1軍を狙います」。人生設計はできている。

 入団合意の条件は、球団の高卒新人としてはダイエー時代の01年の寺原以来となる満額。永山勝アマスカウトチーフは「将来的にエースになってもらいたい数字」と話した。高橋も「(数字は)重いとは思いません。この条件でよかったと球団に思ってもらいたい」と、大きな期待に応えるつもりでいる。

 囲み取材の途中、小柄な女性のカメラマンには「大丈夫ですか?撮れますか?」と配慮し、声が重なり、質問ができなかった記者にも「さっきの質問、大丈夫でしたか?」と声を掛けた。18歳とは思えない気遣いを見せた甘いマスクのエース候補。スター選手になる素材を秘めた金の卵だ。

 高校の先輩には、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏もいる。尊敬する「誇らしい先輩」に続く金メダルを目指し、プロの世界で自分を磨く。 (福浦健太郎)
 
 ◆高橋 純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜県生まれの18歳。小2で野球を始め、中学では揖斐パワーボーイズに所属。県岐阜商では1年春からベンチ入りし、同年秋からエース。3年時には主将を務め、センバツ8強入りに貢献した。今夏は左太腿肉離れの影響で岐阜大会は準決勝敗退。甲子園出場は逃したが、U―18W杯日本代表に選出された。1メートル83、76キロ。右投げ右打ち。

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