増える「元プロ野球選手」の中で…江尻慎太郎氏「らしい」再就職

[ 2015年11月22日 08:30 ]

14年にトライアウトを受けた江尻氏

 11月某日。巨人の球団事務所がある東京・大手町の読売新聞本社ビルの1階ロビーで関係者を待っていると、思いがけない人物に声を掛けられた。日本ハム、DeNA、ソフトバンクでプレーし、昨季限りで現役を退いた江尻慎太郎氏(38)だ。

 私が記者1年目、02年の日本ハム担当時代にルーキーだった江尻氏は、13年間の現役生活で通算28勝。現役時代と変わらない細く締まった体に、ジャケットとパンツ姿がよく似合っていた。「今はこういう仕事をしています。実は、ここ(巨人の球団事務所)には何度も来ているんです」と手慣れた様子で受付を済ませ、スタッフを連れて入館。名刺には「ソフトバンク コマース&サービス株式会社」とあった。

 最後に所属したチームの関連会社で営業マンに転身。各種マーケティングに使用するソフトなどをプレゼンして回っているという。「なかなか大変な部分もありますが、やりがいはありますね」。仙台二から2浪の末に早大に入学した江尻氏。プロ入り当初から日本経済新聞を読み込むなど、野球選手らしからぬ一面も持ち合わせていただけに「らしい」再就職だったかもしれない。

 プロ野球選手のセカンドキャリアは、長く語られている問題だ。現役引退後に指導者や裏方、球団職員などとして野球界に残り、培った技術や知識を生かして活躍できる人は少数派。江尻氏のようにビジネスマンとしてスムーズに転身できる例は、もっと少数派だろう。

 巨人ではこのオフ、3軍制を設立。育成選手を獲る人数も増え、スターになるための「入り口」が広がった。競争が激しくなったのはいいことだと思う。一方で、その分だけ「元・プロ野球選手」が増えるのも事実。第二の人生をどう踏み出すか。今後、さらに議論が深まることを願う。(大林 幹雄)

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