工藤監督 就任1年目で日本一、9度舞った「感無量。僕は幸せ」

[ 2015年10月29日 22:26 ]

2年連続日本一に輝き胴上げされる工藤監督

SMBC日本シリーズ2015第5戦 ソフトバンク5―0ヤクルト

(10月29日 神宮)
 就任1年目で日本一、球団初の連覇を勝ち取ったソフトバンク・工藤公康監督(52)は、優勝監督インタビューで開口一番「感無量です。本当に選手たちが一戦一戦大事に、絶対負けないんだという気持ちをしっかり出してくれて、僕は幸せです」と満面の笑みを見せた。

 今季3度目となる胴上げに9回宙を舞ったが、その瞬間は「最高でした!」と語気を強め、監督として初の日本一には「全然違いますね。やはり選手たちがグラウンドで暴れてくれて、勝っていかないと宙に浮くこともできませんでしたし、選手たちが(骨折した)キャプテンの内川君がいなくても一致団結して、みんなで戦ってるんだと気持ちを一つにしてくれた。選手たちに熱い拍手をお願いします」とスタンドに呼びかけた。

 この日は前日の第4戦に続き李大浩が先制2ランを放って主導権を握って地力の違いを見せつけた。MVPに選ばれた李大浩には「きのうも言いましたが、さまさまです。ありがとう」と最大級の賛辞を送った。

 レギュラーシーズンで90勝、クライマックスシリーズ・ファイナルステージは無敗で突破、そして日本シリーズは4番の主将内川が直前に肋骨骨折で離脱したものの4勝1敗で制した。十分な戦力をほぼ完ぺきに使いこなし、他を寄せつけない圧勝だった。

 指揮官は選手に「本当に彼らとずっと野球がやりたいです。キャンプの時には分からないこともあったんですけど、僕を受け入れてくれて、向上心持ってやってくれた。(日本シリーズで)“負けるつもりはない”と言った時も信じてやってくれた。ヤクルトも強いチームでした。一丸となって立ち向かってくれた。選手のみんなありがとう」と称え、スタンドに詰めかけたファンには「声援は力になりました。パ・リーグを日本一を連覇できました。本当に皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝を述べて締めくくった。

 異なる監督での日本一連覇は史上初、監督初年度での頂点は10年ロッテの西村監督以来となった。日本一連覇は工藤監督が現役時代を過ごした西武の92年以来23年ぶりでその重みは計り知れない。

 現役時代は14度日本シリーズに出場し11度の日本一、監督になってもその勝負強さはますます磨かれた。盤石の戦いぶりで目指すはもちろん日本一3連覇だ。

 ◆工藤 公康(くどう・きみやす)1963年(昭38)5月5日、愛知県生まれの52歳。名古屋電気(現愛工大名電)から81年ドラフト6位で西武入団。86、87年に日本シリーズMVP。95年にダイエー(現ソフトバンク)へFA移籍して99年の日本一に貢献。00年に2度目のFAで巨人移籍。07年から横浜(現DeNA)、10年は古巣・西武に復帰も同年に戦力外となり、11年に現役引退。最優秀防御率4度、最高勝率3度獲得。通算成績は635試合224勝142敗3セーブ、防御率3.45。

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