真中ヤクルト崖っ縁…山田、３連発一転“別人”無安打

＜ソ・ヤ＞細川が捕球し損ねたボールが山田の顔を直撃

日本シリーズ第４戦 ヤクルト４―６ソフトバンク

（10月28日 神宮）
　ついに崖っ縁に追い込まれた。最後は２点差まで追い詰めながらも届かず３敗目。ヤクルト・真中監督は「勝たないと意味がない」と口を真一文字に結んだ。

　先発に送りだした館山が３回までに５点を失う乱調で、序盤から劣勢に立たされた。頼みの打線も、摂津の前に苦戦を強いられた。２７日には日本シリーズ史上初の１試合３本塁打の離れ業をやってのけた山田のバットが、この日は沈黙した。

　第１打席こそ四球を選んだが、その後はいずれも走者がいる場面で２打席連続の見逃し三振に倒れるなど４打数無安打に終わった。変化球攻めだった第１打席とは違い、直球中心の配球となった３回の２打席目は内角低めの直球に、５回の第３打席は外角直球に手が出なかった。「ボールだと思って見逃したが…」と山田。１球前には捕手・細川のはじいた球が直撃し「顎が外れました」という出来事にも見舞われた。

　「摂津さんはいろいろな球種を投げるし制球がいい。気をつけていたんですが、そう簡単にはいかない」と淡々と振り返った。６回には３点を返し、なお２死三塁、一発出れば同点の絶好機で第４打席が回ってきたが、２番手・森の前に三ゴロに倒れ、天を仰いだ。９回には１死一塁から投ゴロ。それでも指揮官は「いいときもあれば悪いときもある」とチームをけん引してきた２３歳をかばった。

　クラブハウスに引き揚げる指揮官に、本拠を埋めた満員のファンからは「まだあすがあるぞ！頑張れ」と温かい声援が飛んだ。「後がないので、またあした必死で頑張ります。以上」と会見を締めた真中監督。泣いても笑っても本拠地では最後の一戦。勝って、何としても博多に乗り込む。　（町田　利衣）

　≪６５年王の再現なるか≫第３戦でシリーズ新記録の１試合３本塁打をマークした山田（ヤ）は４打数無安打。シリーズ１試合２本塁打以上は山田が２６人、３１度目だが、次の試合に４打数以上でノーヒットは０８年巨人第５戦の中村（西＝４の０）以来６人、７度目になる。この中で６５年王（巨）は南海第１戦２本塁打→第２戦４の０→第３戦１本塁打と抑え込まれた直後にアーチ。チームの勝利に貢献したが山田は再現できるか。