これぞ金本流改革!チーム力底上げへ上本“外野兼任”計画

[ 2015年10月29日 08:45 ]

上本(右)と笑顔で話す金本監督

 「金本流」がより鮮明になってきた。阪神の秋季練習は28日、宮崎フェニックス・リーグに参加していた若手選手を加えて最終クールへ突入。金本知憲監督(47)は二塁専念だった上本を中堅守備に就かせるなど変革に乗り出した。

 午前中に実施された監督就任後初のシートノック。これまでなら二塁を守っているはずの背番号4の姿が中堅の位置にあった。かねて脳裏に描いていた構想を早くも実行へ移した。

 「(シートノックの守備位置は)希望もあるし、推薦もある。新井良太は自分から(内外野兼任で)来たんかな。上本とは相談して。『外野やってみる?』とこちらから提案したこと。彼は『試合に出られるなら、チャンスがあるのなら、どこでもチャレンジしたい』ということだった」

 外野転向ではない。あくまでも二塁との兼任案だ。今季2度の故障離脱中に二塁の代役として好守で存在感を発揮した大和が今秋は内野練習に軸足を置き、右肘故障からの完全復帰を目指す西岡の照準も二塁へ向く。選手会長といえども来季の定位置確保は決して安泰ではない。持ち前の打力と走力をフル活用するため本人納得の上で複数ポジションを可能とするための準備が始まった。

 「(本人の)チャンスも広がるし、チームとしてもケガ人が出たり、調子を落としたり、誰かを休ませたい時に(幅が広がる)。例えば(福留)孝介を休ませたい時に上本が調子よかったら、外野でも全然ありだと思う」。チーム力底上げを狙い、金本監督はキャンプを前に動いた。

 2軍本隊が加わった秋季練習。練習前には選手とスタッフを前にあらためて「変えていきます」と変革の決意と覚悟を伝えた。午前中には26日に予告した通り約40分間に及ぶ走塁練習を実施。盗塁だけでなく二塁走者のリードの取り方など走塁の基本に立ち返らせた。

 秋季練習では異例の昼食を挟んだ2部制となり、午前と午後を合わせた練習時間は約5時間にも及んだ。「早い方がいいからね。動くのは」。スピーディーかつハードな有言実行だった。 (惟任 貴信)

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