片岡コーチ「妥協せずにやる」猛虎打線再建へ“3カ条”

[ 2015年10月29日 09:05 ]

就任会見前にグラウンドに姿を見せ、ナインにゲキを飛ばす片岡打撃コーチ

 阪神・片岡篤史打撃コーチ(46)が28日、西宮市内の球団事務所で就任会見に臨み、猛虎打線再建へ向けた3カ条を掲げた。12年オフの退団から3年ぶりの現場復帰。今季不振だった打撃部門での厳しい指導を金本知憲監督(47)から期待される中、「やってやるぞ、という気持ち半分、大変だな、というのが半分です」と重責を受け止めた。

 片岡コーチがグラウンドに足を踏み入れた瞬間、野手陣の表情がキリリと引き締まった。金本監督の意向から就任会見よりも先に一塁ベンチ前で訓示。新監督から「厳しいぞ」の声が飛ぶ中、所信を選手に伝えた。

 「オレのやることは君たちに1本でも多くのヒット、ホームランを打たせること。そのために妥協せずにやります」

 熱い言葉の根底にあるのは、勝利への執念だ。3位に沈んだ今季は打線が振るわず、リーグ最下位の465得点に終わった。本塁打も同5位の78本…。再建への道のりは決して簡単ではない。就任まで迷いがなかったと言えばウソになるが、最後は金本監督の「勝ちたい。チームを強くしたい」という思いに応えることを決意した。

 勝利をたぐり寄せるべく片岡コーチは3つの心得を掲げた。

 (1)全国区のスターになれ! 

 在阪マスコミでは、阪神の動向が大々的に取り上げられる。そこで勘違いすることなく、指導者としてはさらなる高みを目指してほしい。「田舎のスターではなく、全国区のスターにならなアカン」。含蓄のある表現で、奮起を促した。

 (2)勝つための打撃を実践しろ!

 ナインへの訓示では、逆方向へ強い打球を打てる技術習得を求めた。走者を進めたいケースで当てただけの二塁ゴロはいらない。「追い込まれるまでは一番強い打球、ヒットを打ってほしい」。逆に2ストライクと追い込まれれば、確実にゴロを転がし進塁打を打つ。状況に応じて打撃スタイルを変えることで、勝負強い打線を作り出す。

 (3)厳しさを最優先!

 数々の修羅場をくぐり抜けてきたからこそ、プロの世界の厳しさを知る。金本監督は「明るく、厳しく」をモットーとしているが、そこからさらに一歩踏み込んだ。「監督が“明るく、厳しく”と仰っているが、順番を間違えないように。厳しさの中に明るさを持ってほしい。ネックレスとか、そんなんは違うから」。練習はもちろんだが、服装、身だしなみも徹底していく。なぜなら、日常生活のすべてが野球につながるからだ。

 「勝たないと満足感も足りない。日本シリーズでプレーできるように。最後はそこになる」

 本格的な指導は秋季キャンプからだが、気持ちはすでにグラウンドにある。情熱の男が猛虎再建の一翼を担う。 (森田 尚忠)

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2015年10月29日のニュース