由伸新監督、スーツ姿“初仕事”で訓示「強い覚悟で日本一」

[ 2015年10月29日 05:30 ]

円陣の中心で話す高橋監督

 巨人・高橋由伸新監督(40)が28日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた秋季練習で始動した。テーマは「観察」「対話」「強化」。現役を引退したばかりの青年指揮官は、1、2軍の合同練習をじっくり視察し、首脳陣やスタッフ、選手らとの対話にも時間を費やした。日本一奪回を果たすためには個々のレベルアップが必要だと説くなど、力強く第一歩を踏み出した。

 10日ほど前までバットを握っていた手には、資料が詰まったクリアファイルがあった。高橋新監督がダークグレーのスーツに身を包み、ジャイアンツ球場を動き回った。打撃練習の後にはスーツ姿で球拾いも行った。

 「やっぱり緊張感があって、正直疲れました」

 球場入りは、午前7時7分。選手ロッカーから監督室への荷物の移動、コーチミーティングを終えると、練習前に首脳陣、スタッフ、選手に「全ての人が強い覚悟をもって日本一に向けて進んでいってほしい」と訓示。同時に野球賭博に揺れる現状に「野球選手として周囲から一目置かれるような存在にならなければいけない」と自覚も促した。

 自身の当面のテーマは「観察」「対話」「強化」だ。1、2軍合同でシートノックやフリー打撃を行い「選手として見るのと、監督として見るのと見え方が違う」と育成選手も含めて観察。同時に、秋季キャンプメンバーの絞り込みを行う。ユニホーム姿は同キャンプからお披露目する。

 練習中にはコーチ陣やスタッフだけでなく、坂本、長野、阿部らと話し込んだ。「話していく中で、少しずつ違和感はなくなると思う」。監督としての選手との接し方にまだ慣れない様子だったが、今後も積極的に対話を重ねていく。この日はプレミア12に出場する坂本、菅野、沢村に自分たちのペースでの調整を許可。坂本は早速、2軍から1軍担当となった内田打撃コーチの指導を仰いだ。

 リーグ優勝奪回に向けて指揮官が強調したのは個の力の強化。現役時代も妥協せず、自らに猛練習を課していた高橋新監督は「個の力をまず上げないと。この秋の練習というのは、全てにおいて強化がメーン」と訴え、約7時間精力的に動いた初日を終えた。 (大林 幹雄)

 ◇最近の巨人監督初仕事

 ☆長嶋茂雄 92年10月12日に就任会見を行ったが、その後はテレビ収録などで多忙を極め、同27日の須藤豊ヘッドコーチ、球団フロントとのトップ会談が新体制初仕事に。

 ☆原辰徳 01年の第1次政権時は、会見4日後の10月2日に始動。シーズン全日程の終了に伴い、FA行使が濃厚な清原と会談。監督自ら残留を要請した。また05年は会見翌日の10月6日に球団事務所でフロントと補強について約3時間、話し合った。

 ☆堀内恒夫 会見3日後の03年9月29日に行われた球団フロントとの会食が初仕事。ドラフトなどの補強やコーチ陣の組閣、秋季キャンプの課題などを中心に3時間以上話し合った。

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2015年10月29日のニュース