中畑清氏観戦記 鷹に脱帽「野球の質が違う 思い知らされた」

[ 2015年10月26日 08:30 ]

<ソ・ヤ>放送ブースで笑顔を見せる中畑氏(中央)

日本シリーズ第2戦 ソフトバンク4-0ヤクルト

(10月25日 ヤフオクD)
 今季限りでDeNAの監督を退任した中畑清氏(61)が25日、日本シリーズ第2戦でテレビ東京の解説を務めた。12年から4年間指揮を執り、ユニホームを脱いだ中畑氏。退任後の「初仕事」として、スポニチ本紙に観戦記を寄せた。

 悔しいくらい強い。野球の質が違うわ。ソフトバンクというチームの完成度の高さを思い知らされた。

 まずは初回の守りだ。左前打で出塁し、続く川端の初球に走った上田をぴしゃりと刺した。ヤクルトには「バンデンハークは走れる」というデータが入っていたのかもしれないけど、きっちりクイックモーションができていた。十分な備えをしてきていたのだ。これで機動力を封じ、ヤクルトの勢いを完全に止めた。

 次は攻撃面。第1戦に続いてベンチ前で円陣を組んだ4回に先制点を挙げた。この日は柳田が際どい内角球をよく見て四球を選び、李大浩が初球のカーブを左翼席へ。選手個々に能力があるチームは個人の力で勝てるから、チームとして統一した攻撃はしにくいんだけど、ソフトバンクはそれができる。しかも第1戦の石川に続いて第2戦の小川。2人とも今季、DeNAが5敗した投手だよ。しかも4番の内川抜きで、というのだからたまらない。バランスの取れた戦力。誰もが脇役じゃなくて主役になれる。誰かがいなくなってもみんなでカバー。いかなる状況でもチームで戦う姿勢ができているのだ。

 今季の交流戦。ソフトバンクには1勝2敗だった。こんなチームによく1つ勝てたと思う。6月2日の3連戦(横浜)初戦。8回に井手や荒波のタイムリーで逆転勝ちしたんだ。でも、その次の日。2―1で迎えた6回、柳田にセンターの電光掲示板を直撃されて追いつかれた。そのまま延長に入り、11回にはまたまた柳田に今度は右翼席へソロを許した。ここからだ。ドロ沼の12連敗が始まったのは…。あの強烈な一発は忘れられない。

 一方のヤクルト。神宮球場に戻れば、雰囲気も変わる。今季のDeNAは8勝17敗と貯金をいっぱい献上したけど、やられたのはほとんど神宮。本拠地のスワローズは本当に強かった。相手は強いけど、意地を見せてもらいたい。(前DeNAベイスターズ監督)

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