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【若菜嘉晴氏大分析1】ヤクバッテリー不用意 李大浩になぜカーブ

[ 2015年10月26日 08:00 ]

<ソ・ヤ>4回無死一塁、李大浩は左越え2ランを放つ。投手・小川

日本シリーズ第2戦 ソフトバンク4-0ヤクルト

(10月25日 ヤフオクD)
 あまりに不用意で安易な配球――。ソフトバンクの連勝となったシリーズ第2戦。スポニチ本紙評論家の若菜嘉晴氏(61)は、4回、初球にカーブを投じて李大浩(イ・デホ)に先制本塁打されたヤクルトバッテリーの配球が第2戦の全てと評した。第1打席で空振り三振を取った配球のつながりを生かせず、布石のない1球。ヤクルト・中村の「若さ」とも指摘した。

 長いレギュラーシーズンなら失投で済まされるかもしれない。しかし、短期決戦ではわずか1球が“命取り”となる。

 ◆0―0の4回無死一塁。4番・李大浩にあり得ない初球

 大いに疑問が残る1球だった。長打だけは避けたい場面。ヤクルトバッテリーは初球にカーブを選択した。そして左越えに先制2ランを浴びた。決して結果論で言うのではない。小川にとってのカーブはウイニングショットではなく、あくまでカウント球で、この場面で初球にいきなり入る球種ではない。バッテリーとしては引っかけさせて併殺狙いだったのだろうが、バットの芯を外しゴロを打たせるなら、半速球のカーブが一番怖い。フォークボールの方が格段に打ち取る確率が高い球種だ。まして李大浩は高めから落ちてくる緩いカーブに対しては真っすぐ系を待っていても体が止まり、一瞬の間をつくって打ち返すことができる得意の球種なのだ。この辺りのデータ不足も感じた。

 何よりもったいないのが、李大浩から空振り三振を奪った初回1死一、二塁での配球からの“つながり”がまるでなかったことだ。内角を直球で攻めながら、最後はフォークで仕留めた。ならば、次の打席ももう一度フォークから入って打者がどんな反応を示すか観察すべきだった。見送るのか、それとも振ってきたならばマークしている証拠にもなる。

 百歩譲ってカーブを使いたいのなら、まずは内角の直球で入って、布石をつくってから投じるべきだった。若い捕手が陥りやすい傾向だが、インコースに甘く入ってしまったら…という怖さの裏返しだった気がする。小川の決め球はフォーク。“ここぞ”という時に使ってこそ伝家の宝刀だ。

 もちろん、今シリーズで当たりの出ていない先頭の柳田に四球を与えたこともミス。取られるべくして取られた先制点だった。

 ≪交流戦でも初球被弾≫ヤクルト・小川の今季被本塁打は18本でリーグワーストだった。初球を被弾したのは2本で、うち1本は5月29日の交流戦(ヤフオクドーム)で李大浩に浴びている。初球の被打率は・272と、規定投球回数に到達した14投手中5番目とそれほど悪くないが、大一番で痛恨の一発を許してしまった。

 ≪ファーストストライク見逃さず≫ソフトバンク・李大浩は今シリーズ2戦計8打席で、ファーストストライクを見逃したのは第2戦の第3打席だけ。積極的に打ちにきているだけに、ヤクルトバッテリーは慎重に攻めるべきだった。

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