ソフトB無敵!球団新日本S6連勝 工藤監督「バンデン、ごめんね」

[ 2015年10月26日 05:30 ]

<ソ・ヤ>好投したバンデンハーク(左)をねぎらう工藤監督

日本シリーズ第2戦 ソフトバンク4-0ヤクルト

(10月25日 ヤフオクD)
 2つの不敗神話だ。ソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(30)が25日、ヤクルトを8回3安打無失点に抑え、2連勝に導いた。来日1年目の今季、レギュラーシーズン、CSファイナルSを含め11連勝。チームも昨季からの日本シリーズの連勝を6とし、球団新記録を樹立。26日は試合がなく、27日の第3戦から神宮に舞台を移す。CSファイナルSから5連勝。敵地でもポストシーズン不敗を続け、一気に球団初の日本一連覇を決める。

 お立ち台。工藤監督は次に控えていたヒーローのバンデンハークに向かって、思わず謝った。

 「バンデン、ごめんね!完封できたのに…」。8回まで109球を投げ、3安打無失点。9回も続投を望んだが、指揮官は8回の投球後にベンチで隣に座って説き伏せた。「リリーフ陣がまだ一人も投げていない。きょうだけは勘弁してくれ」。守護神のサファテと交代。完封こそ逃したが、今季公式戦で無敗の11連勝は色あせない快挙だ。

 「日本シリーズで(完封の)チャンスはなかなかない。自分としては(9回も)行きたかったけど…。でもチームが勝つことが一番だからね」

 初回無死一塁。2番・川端の初球に二盗を試みた上田に苦手だったクイックで対抗し、二盗を阻止した。1メートル98の長身から150キロを超える直球を武器に2回には畠山、雄平と連続三振に打ち取る。さらにWBCでともにオランダ代表として戦ったバレンティンを118キロのナックルカーブで翻弄(ほんろう)。人さし指をボールに立てることで速く落差があり、3者連続三振を奪って一気に波に乗った。

 辛抱強かった。本拠のヤフオクドームではレギュラーシーズン、CSファイナルSを合わせ56回で与四死球は4と相性抜群のマウンドだ。初回1死では川端に13球、4回無死は上田に11球粘られたが、ストライク率は109球のうち85球の78%。終わってみれば無四球だ。「粘り負けしないように投げた」。どれだけカットされようが、乱されない精神力も強さだ。

 キャンプで痛めた左内転筋の影響から開幕ローテーションから漏れ、外国人枠の都合もあり、来日初登板は6月14日の広島戦(ヤフオクドーム)だった。「1軍に上がった時のために一つずつ、課題を克服しようと考えた。それがあったからこそ、上がっていい投球ができた」。気分転換は美人で評判のアナ夫人と小旅行。陶磁器で有名な佐賀・伊万里、福岡・柳川の川下り…。日本に触れ、その文化を吸収した。

 チームもCSファイナルSの3連勝と合わせ、これでポストシーズン5連勝。日本シリーズに14度出場している短期決戦のスペシャリスト・工藤監督も無敗だ。「(日本シリーズ)4つ全部勝つつもりでやる。勝てる試合を見せますので、ぜひ、神宮に足を運んでください」。本拠地のファンへ誓ったのは神宮決着。この日、無敵の投球を見せたバンデンハークの出番もなさそうな勢いだ。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・高谷(バンデンハークを好リード)低めを突くところはついて一生懸命投げてくれた。

 ≪球団新6連勝≫ソフトバンクが2連勝。昨年阪神第2戦からのシリーズ連勝を6に伸ばした。日本シリーズで6連勝以上は10年第1戦でロッテが最多タイの8連勝して以来6度目。チームでは過去2度あった5連勝を抜く球団新記録になった。連勝期間中のソフトバンクは6試合全て先取点を挙げ、計55イニングを戦い一度もリードを許していない。

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