バレンティン 丸刈りで“鷹狩り”「負けたら終わり」の高校野球魂

[ 2015年10月23日 06:35 ]

ハットを取り、丸刈り頭を見せるバレンティン

 14年ぶりの日本一を目指すヤクルトは22日、24日にヤフオクドームで開幕するソフトバンクとの日本シリーズに向け、神宮外苑で約2時間の全体練習を行った。打線の鍵を握るウラディミール・バレンティン外野手(31)は丸刈りに加え、顎ひげも短く整え、甲子園で戦う高校球児のように短期決戦に向かう決意を表現した。チームは練習後に空路、福岡入りした。

 多くの高校球児たちが、プロ野球への夢の扉を開いたドラフト。バレンティンが高校球児ばりの丸刈り頭で全体練習に姿を現した。トレードマークとなっていた、もじゃもじゃな顎ひげもスッキリと整えられた。

 「ハイスクール、カット。高校野球のようなスタイルです。1試合負けたら終わりという気持ち。ここまできたら最後に日本一になって終わりたい」。室内練習場で行われたフリー打撃では快音を響かせ、守備練習にも取り組んだ。日本一を懸けた決戦に向け、心も体も仕上がった。

 高校野球では地区大会や甲子園などトーナメント方式で負けたら終わりだ。プロ野球のレギュラーシーズンは143試合の戦いで、負けても次の試合がある。ただ、ポストシーズンは短期決戦。1試合も負けられない戦いが続くだけに、バレンティンは「ウィン、オネガイシマス」と話す。

 毎年夏にはロッカールームのテレビで高校野球が流れているため、バレンティンも興味を持って見ている。9月21日の阪神戦(甲子園)で試合前の円陣の声出し役を任された時には「負けたら終わりという気持ちで戦おう!」と声を張り上げた。チームもそこから4連勝で14年ぶりのリーグ優勝を引き寄せた。主砲にはすっかり「高校野球魂」が身についている。

 来日した11年から3年連続で本塁打王を獲得。13年には60本塁打のプロ野球記録を樹立したが、優勝には縁がなかった。今季は左太腿手術の影響で5カ月離脱。レギュラーシーズンはわずか15試合の出場で打率・186、1本塁打、6打点。チームに貢献できなかったが、まだ主砲の存在感を見せる機会は残されている。「ここから日本一を目指すこと、そしてそこに貢献することしか考えていない」。敵地では指名打者での先発出場が濃厚。バレンティンが高校球児のようにガムシャラになり、頂点への道を切り開く。(町田 利衣)

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