緒方監督 自分でクジ引く!昨年外した尾形スカウトが「気の毒で…」

[ 2015年10月22日 05:30 ]

編成会議を終えた広島・緒方監督

 広島・緒方孝市監督(46)が21日、東京都内のホテルで開かれたスカウト会議に出席。22日のドラフト会議で1位指名選手が競合した場合、自らクジ引きに臨む決意を示した。懸案の1位候補は大商大・岡田明丈(22)を筆頭に、仙台大・熊原健人(22)、県岐阜商・高橋純平(18)の即戦力3投手に絞られたが、結論は持ち越し。他球団の動向を分析しながら、直前に最終決定する方針だ。

 都内のホテルで開かれた恒例の直前会議。約2時間に渡り、他球団の指名シミュレーションなどの説明を受けた緒方監督は、1位指名選手が競合した場合のクジ引きについて初めて言及した。

 「クジは引くよ。去年、(スカウトの尾形)佳紀が外して(席に)帰って来た時、顔を見て気の毒に感じ、これは自分で引かないといけない…という思いがあった」

 1位指名した早大・有原(日本ハム)に4球団が競合し、担当の尾形スカウトがクジ引きに臨んだ昨秋。外れた際の悲しげな表情が指揮官の男気をくすぐっていた。この日の会議では1位に即戦力投手を熱望。「楽しみな選手は間違いなく抽選になるよ」と予告した。

 ただ、誰を1位指名するかは決まっていない。前日までに絞り込まれた候補は大商大・岡田、仙台大・熊原、そして高校生で唯一の即戦力級と評される県岐阜商・高橋の3投手。いずれも競合の可能性がある逸材だ。

 最有力に挙げられる岡田は成長著しい。最速153キロを誇り、関西六大学では昨秋から13連勝で締めた。8月21日にあったプロアマトーナメントのオリックス戦では、今季12本塁打を放った怪力カラバイヨのバットを内角直球でへし折った。球団首脳は「先発、抑え両方で使える」と評価する。

 県岐阜商の高橋は、言わずと知れた高校ナンバーワン右腕。MAX152キロを誇り、今春の選抜ではチームを8強へと導いた。「将来のエース格となり得る」(首脳)大器だけに中日、ソフトバンクなどが興味を示しており、競合は確実。指名球団数の見極めが、取捨のカギになりそうだ。

 松田オーナーは「当日まで決まらないケースは珍しい。それだけ多士済々で、いい素材が今年はいるということ」と語った。2年前は公表こそ控えたが、1位・大瀬良の方針は固まっていた。当日まで結論を持ち越すのは10年、早大・大石を6球団競合の末に外し、福井を指名して以来だ。

 「ゲン担ぎはする。引き当てたら言うよ」

 当たりクジを引き当てようと、張り切る緒方監督。22日、運命のドラフトに注目だ。(江尾 卓也)

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2015年10月22日のニュース