ソフトB柳田 盗塁解禁 紅白戦で全力疾走「多少無理してでも走る」

[ 2015年10月20日 05:30 ]

紅白戦の7回1死満塁、遊ゴロで一塁へ全力疾走する柳田

ソフトバンク紅白戦 紅組5―2白組

(10月19日 ヤフオクドーム)
 久しぶりに見る全力疾走だった。24日から始まるヤクルトとの日本シリーズに向け、ソフトバンクはヤフオクドームで練習を再開し、紅白戦を行った。紅組の3番で先発出場した柳田は3回2死二、三塁から左中間へ打ち返し、二塁へ到達した。2点二塁打。普段は冗談めかして質問に答える男が、珍しく真面目な表情でこう言った。

 「今年最後(の試合)になるので、多少無理してでも」。その後に続く言葉は「走る」だ。

 プロ5年目の今季は打率・363、34本塁打、32盗塁でトリプルスリーを達成。ただ、盗塁は9月21日の日本ハム戦(札幌ドーム)で決めたのが最後だった。同26日のロッテ戦(QVCマリン)で左膝裏へ死球を受け、脛骨(けいこつ)骨挫傷の診断。「常に全力で走ることを見てほしい」と話すほど走塁に高い意識を持っているが、ロッテとのCSファイナルSでは全力で走ることを控えていた。盗塁する場面はなく、打撃でも12打数2安打2打点に終わった。

 「走った後に痛みが出なくなったわけではない」と柳田。まだ万全の状態ではないが最後の戦いで走る覚悟を決めた。ヤクルト・山田とのトリプルスリー対決も注目されており、負けていられない。二塁打の場面で100%に近い走塁を見届けた工藤監督も「日本シリーズでの盗塁はOKじゃないかな。彼の場合はいつでも走っていいようにしている。相手も走られるのは嫌がるだろ」とGOサインを出した。

 CSファイナルSではロッテに3連勝したが、チーム全体でも盗塁は一つもなかった。1点を争う展開が多い短期決戦では機動力は欠かせないだけに、球団初の2年連続日本一に挑むソフトバンクにとって柳田の「盗塁解禁」は強烈な追い風となりそうだ。

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