真中監督「やる必要ない」予告先発拒否へ 監督会議前に先手

[ 2015年10月19日 05:30 ]

ヤクルトの真中監督

 予告先発はNO!14年ぶりに日本シリーズ進出を決めたヤクルトの真中満監督(44)が18日、相手となるソフトバンクから予告先発の申し出があっても応じない方針を示した。予告先発を行うかは23日の監督会議で話し合われるが、ソフトバンクの先発が右投手ばかりに対し、ヤクルトは左腕の石川、下手投げの山中らを擁する利点がある。24日の第1戦(ヤフオクドーム)に向け、駆け引きは始まっている。

 日本一へ向けてソフトバンクをどう倒すか。投打に圧倒的な強さを誇る相手に対しては、どんなアドバンテージも生かさなければならない。真中監督は最近2年続いてきた日本シリーズでの予告先発を問われると、間髪入れずに答えた。

 「予告先発はわざわざやる必要はない。それで正々堂々うんぬんではないしね。ルールにのっとった戦略だということ」

 予告先発は日本シリーズ前日に行われる監督会議の申し合わせ事項であり、両監督の合意があれば実施できる。13、14年は、全戦予告先発に慣れているパ・リーグの監督から提案がなされた。今年も工藤監督から提案される可能性があるが、その前に先手を打った。

 「ウチは左の石川もいるが、向こうは(先発が)右ばかりだから読みやすい。ウチは予告がない方が有利だし、それ(利点)を考えながらやりたい」と話した。ソフトバンクは武田、バンデンハーク、摂津、中田、スタンリッジら先発候補全員が上手投げの右腕。一方、ヤクルトは左の石川だけでなく、昨年ソフトバンクから移籍した右下手投げの山中もおり、宮崎フェニックスリーグで調整を重ねる。奇襲先発も含めた先発陣の起用について、高津投手コーチも「いろんなケースを考えて決めます」と話した。

 ソフトバンクは昨年の日本一チームで、今季シーズン90勝をマークした王者。工藤監督との新人監督対決にも注目が集まる指揮官は「強い相手にセ・リーグの代表として何とかしたいという思いは強い」と話した。自分たちの長所を出す野球に変化はないが、準備段階では使える手を尽くす。

 第1戦の先発が有力視される石川は「CSでは初戦を任されてチームに貢献できなかった。初の日本シリーズとなるが、借りを返したい」と語った。第1戦まで5日。投手起用を含めた戦略も14年ぶりの日本一への重要な要素となる。 (倉橋 憲史)

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2015年10月19日のニュース