原監督“雑草”内海でヤ斬り必ず!地獄を見た男に初戦を託す

[ 2015年10月14日 05:30 ]

<巨人練習>キャッチボールする内海

セCSファイナルステージ第1戦 巨人―ヤクルト

(10月14日 神宮)
 クライマックスシリーズ(CS)は14日、セ、パ両リーグでファイナルステージが開幕する。優勝チームが1勝のアドバンテージを持ち、6試合制で日本シリーズ進出を争う。13日は各チームが最終調整を行った。予告先発のないセ・リーグで、優勝のヤクルトに挑む2位巨人は内海哲也投手(33)の先発が濃厚。今季はわずか2勝に終わったが、原辰徳監督(57)は2度の2軍落ちからはい上がってきた左腕に懸けた。

 どん底からはい上がってきた男に、運命の初戦が託される。重圧のかかる大一番は状態だけでなく、経験値も必要不可欠。該当するのは精神的支柱である内海だけだ。

 「調子?悪くないです。頑張ります。とりあえず、嫁の誕生日(13日)なので盛大に祝います」

 東京ドームでの全体練習を終え、帰途に就く際には冗談も交えるなど終始リラックスムード。先発隠しのために同じく候補の高木勇と行動をともにし、強めのキャッチボールでは変化球も全球種投げて感触を確かめた。

 今季は散々なシーズンだった。左前腕の炎症で出遅れ、復帰後も精彩を欠いた。8月19日の阪神戦(東京ドーム)で3回0/33失点KOを喫すると、監督室に呼ばれた。今季2度目の2軍落ち。だが、そのときの姿勢が指揮官には心地よく映った。

 三塁側からこの日の練習を見つめた指揮官が、当時の会話を回想した。

 「あれだけの実績、キャリアがあると(もっと)先を見たがるが、“あしたからやる。ファームでも投げます”と言った。弱音を吐かなかった。こいつは大丈夫だと思った。原点を忘れていない。雑草魂というのかな」

 現実を受け止め、乗り越えようとする姿を評価。レギュラーシーズン最終戦の4日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発機会を与えると、5回2安打無失点で結果を残し、チャンスをつかんだ。内海にとっては昨年、阪神とのファイナルS初戦(同)で7回途中4失点KOを喫した舞台でのリベンジにもなる。

 1日だけ与えられた練習日。原監督は「ずっと緊張感の中で試合をしてね。つかの間の清涼飲料水」と独特の言い回しで表した。アドバンテージは相手にあるが、勝ち上がってきた巨人には勢いがある。背番号26が復活登板を成し遂げれば、さらなる追い風が吹く。 (川手 達矢)

 ▽内海の昨年のCSファイナルS第1戦 10月15日の阪神戦(東京ドーム)に先発。初回、先頭の西岡に左前打を許し、1死二塁から鳥谷に中越えの適時二塁打。続くゴメスに左越え2ランを浴び、わずか8球で3点を失った。4回以降は無失点も、6回2/3を9安打4失点で敗戦投手となり「初回が全て。申し訳ない気持ちでいっぱい」と悔しがった。チームはそのまま屈辱の4連敗を喫した。

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