和田監督「悔しさ強い」涙なし退任会見、将来フロント入りも

[ 2015年10月14日 05:30 ]

<阪神オーナー報告>労いの花束を手に最後は笑顔を見せる和田監督

 阪神の和田豊監督(53)が13日、大阪市の電鉄本社で退任会見に臨み、変わらぬ猛虎愛を強調。来年3月25日の開幕に向け、エールを送った。

 「新体制の元、躍動感があり、期待してもらえるチームが来年の開幕には仕上がっていると思います。選手は勝つことに飢えていますから」

 涙は見せなかった。選手・コーチとして27年、そして監督して4年…。31年の長きにわたりタテジマを着続けた事実は、何よりも尊い。誰にも負けない、猛虎への思い。だからこそ、今季も優勝を逃したその事実を厳粛に受け止めた。

 「80周年のメモリアルイヤーを託していただいたが、優勝できなかった。その時には…という思いでやっていた」

 9月27日の広島戦に敗れ今季の優勝がなくなると、自ら球団に辞任を申し入れたのだった。

 「実感がわかない。まだユニホームを着て一緒に戦っている気持ちがあります。きのうの敗戦の悔しさが強い」

 会見中も感傷に浸ることなく、横顔は最後まで勝負師のものだった。前日12日は巨人に1―3で敗れ、CSファーストSでの敗退が決定。9回1死二、三塁まで詰め寄りながらの敗戦に、一夜明けても気持ちを切り替えることはできなかった。 「もう一度、甲子園に帰ってきたかった。チームもそうだったと思う。あきらめない気持ちは出ていたけど、結果がすべてなのでね」

 CSを勝ち抜けば甲子園での日本シリーズが待っていたが、それもかなわなかった。道半ばでの退任。ただ、球団では功労者と位置づけており、将来的にはフロントの一員として復帰する可能性もある。「野球だけではダメだけど、オレには野球しかないという両方の思いがある」。そう語り、会見を締めくくった。 (森田 尚忠)

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