阪神・藤井引退 ファンに愛された“男前”先発減り決断、コーチ就任へ

[ 2015年10月13日 05:30 ]

<巨・神>イニング間に投球練習の相手を務める藤井

セ・リーグCSファーストS第3戦 阪神1-3巨人

(10月12日 東京D)
 阪神の藤井彰人捕手(39)が今季限りで現役を引退することが12日、分かった。すでに球団側にも引退の意思を伝えおり、13日にも正式発表される予定だ。

 プロ17年目のベテランがユニホームを脱ぐことを決めた。近大ではアマ5冠を達成し、98年ドラフトで2位指名を受けた近鉄へ入団。04年のオリックスとの合併に際した分配ドラフトで楽天の創設メンバーとなり、10年オフにはFA権を行使して阪神へ移籍した。

 加入3年目の13年には主戦捕手として自己最多の113試合に次ぐ112試合に出場。今季も71試合に出場し、豊富な経験と安定感あるキャッチングを武器に控え捕手としての役割も担った。一方で開幕捕手の座を梅野に譲るなど先発機会は激減。シーズン終盤には現役引退を決意していた。

 前日11日のCSファーストS第2戦では先発マスクを被り、メッセンジャーを巧みなリードで引っ張るなど巨人打線を2点に抑えて勝利に貢献。第3戦は最後まで出場機会が訪れることなく、終戦をベンチで見届けた。

 猛虎では投手からの信頼も厚く、「男前」の愛称でファンからも愛される存在だった。身長1メートル70とプロの世界では小柄な体格ながらセ・パ両リーグの3球団で活躍。球団側も実績と経験を高く評価しており、チームとしての課題でもある正捕手育成へ向けて2軍コーチなどのポストを用意する模様だ。

 ◆藤井 彰人(ふじい・あきひと)1976年(昭51)6月18日生まれ、大阪府出身の39歳。近大付では2年夏に甲子園出場。近大を経て98年ドラフト2位で近鉄入り。04年オフ、球団合併による分配ドラフトで楽天へ。10年オフにFA権を行使して阪神入り。1メートル70、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪藤井男前アラカルト≫

 ★誕生 11年7月2日の横浜戦(甲子園)で移籍後初アーチを放ち勝利に貢献。お立ち台で隣に並んだ新井が「(ベンチでみんなが)“さすが男前”と言ってました」と称賛すると、藤井は「顔しか取りえがないので、一生懸命頑張りました!」と会心のジョーク。翌3日も猛打賞で活躍し「バッティングは顔ほど自信ないんですけど」と、早くも定番化した。

 ★グッズも出た 球団は同年8月からオリジナルグッズを販売。キャラクターを前面に押し出したTシャツやフェースタオルなどが商品化された。同時期、球場のスクリーンでは、藤井だけ“美化”された似顔絵を背景に選手紹介が行われた。

 ★男前卒業!? 13年5月26日、日本ハム戦(甲子園)で2点打を含む久々の猛打賞。「いろいろ考えて、(顔以外に)何か取りえがないかと…。見つけました」息をのむファンにすかさず「やっぱり顔しかありませんでした~」とたたみかけ、爆笑を呼んだ。

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2015年10月13日のニュース