早実・清宮　３戦連発もヒヤリ初戦突破「全然ダメ」

＜早実・都小平＞３回無死二塁、早実・清宮は同点の中越え２ランを放つ

秋季高校野球東京都大会１回戦 早実４―３都小平

（10月10日 八王子市民）
　来春のセンバツ資料となる秋季高校野球東京都大会が１０日、開幕した。清宮幸太郎内野手（１年）擁する早実は、都小平との１回戦で延長１１回サヨナラ勝ち。清宮は０―２の３回、都大会ブロック予選から公式戦３試合連発となる高校通算２２号の同点２ランを放ったが、薄氷の初戦突破に自己評価は厳しかった。

　打球が一塁線を抜けた。延長１１回１死二、三塁。二塁走者の清宮は、サヨナラ打を放った工藤に遠慮気味に駆け寄った。負ければ来春センバツ出場は絶望的だっただけに胸をなで下ろした。

　「全然駄目でしたね。やっぱり主軸の自分が打たないと、苦しいゲームになってしまう」。高校通算２２号を放ったが、反省ばかりが口を突いた。

　０―２の３回無死二塁。甘く入った真ん中低めのカーブを引っ張り、公式戦３戦連発となる右中間への同点２ラン。しかしその後は、執ような外角攻めに手を焼いた。４回１死三塁は空振り三振、６回２死二塁では二直。５打数１安打に「チャンスでたくさん回してもらったのに…」と悔やんだ。

　それでも成長は見せた。甲子園での２発はいずれもライナー性だったが、この日は「打った瞬間いったと。いい感じに上がってくれた」と放物線を描いた。夏以降、フォロースルーを大きくすることで、スイングに力が加わり、打球に角度がついた。Ｕ―１８日本代表で木製バットを使い、芯で捉える意識も増した。

　２回戦は１２日、昨夏から２季連続で甲子園に出場した二松学舎大付とぶつかる。「甲子園で経験を積ませてもらった。その経験を生かすとき」と清宮は言った。聖地へ戻るため、一戦必勝を貫く。　（神田　佑）