イチローに3000安打手形 残留、契約に再来年シーズンのオプション

[ 2015年10月8日 05:30 ]

マリナーズのイチロー(AP)

 マーリンズは6日(日本時間7日)、イチロー外野手(41)と再契約したと発表した。1年契約で、年俸200万ドル(約2億4000万円)。メジャー通算3000安打にあと65本と迫る背番号51に対し、球団はシーズン終了2日後という異例のスピード契約で「3000本手形」を与えた。

 相思相愛だった両者はシーズン終了わずか2日後という電撃残留に至った。シーズン総括会見でデービッド・サムソン球団社長はまず「投手として、ではないよ」と笑わせた上で「役割は今年と同じ4番手の外野手だが、プレーオフを目指すチームの大事な戦力」と、イチローとの再契約を発表。特に強調したのは、その存在意義で「英国でビートルズと一緒にいるのと同じようなもの。卓越した人物と過ごすことは、そこにいる者をいい気分にさせてくれる」と最敬礼で迎えた。

 年間91安打、打率・229はいずれも自己最低。「目を疑うもの」と評した数字に終わりながら、来季へ道が開けた。会見には同席しなかったイチローは「ゆがんだものを感じさせないチームメートと一緒に戦う気持ち良さ。これさえあればしんどいことも我慢できる」とコメントした。20代半ばの若い選手たちに交じり、新鮮な刺激をもらった。自ら「びっくり箱みたい」と形容したチームで、4日の最終戦では念願だった投手デビューまで実現。「人の気持ちが大事なんだと感じさせられたシーズンになった」と振り返った。

 殿堂入りの基準となるメジャー通算3000安打へあと65本。今季はチーム最多153試合に出場したが、主砲スタントンの骨折など、正外野手3人が長く欠場したためだ。来季はベンチを温める場面が増える。残り65本は簡単な数字ではない。しかし、CBSスポーツのジョン・ヘイマン記者によると、契約には球団側に選択権がある17年シーズン(年俸200万ドル)のオプションも含まれているという。来季中に届かなくても、その先まで保証する「3000安打手形」といえる。

 キャンプ直前の1月27日に正式契約が発表された今季と違い、慣れ親しんだ環境で準備する時間もたっぷりある。「次の準備、オフの気の持ちようや過ごし方を含めて、こんなに早い段階で決まったことは大きく違う」と喜んだイチロー。メジャー史上30人目となる金字塔へ、マイアミでの最後の旅路はまだ続く。

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2015年10月8日のニュース