熊崎コミッショナー徹底調査を厳命「慎重に掘り下げた調査必要」

[ 2015年10月6日 08:55 ]

巨人・福田が野球賭博に関わった疑惑があることを受け、会見する熊崎コミッショナー(左は井原事務局長)

巨人・福田 野球賭博関与

 巨人の発表を受け、都内で行われた緊急会見。熊崎勝彦コミッショナーは事態の重さを受け止め、厳しい表情のまま切り出した。

 「大変悔やまれる、大変残念な、ショックなこと。野球界が多くのファンに支えられながら、試合が盛り上がっている最中にこういった情報を耳にするのは、返す返すも残念でございます。ご迷惑をお掛けしたことを申し訳なく思っている」

 熊崎コミッショナーに巨人側から、福田選手が有害行為に抵触する可能性があると連絡が入ったのは今月1日。巨人に「厳正かつ速やかにスピーディーに調査を進めたい」と要請した。週末を挟んで、この日午前、調査の報告があった。巨人の調査では八百長行為は認められなかったが、同コミッショナーは「この事案は決して軽視できない。厳正に対応しなきゃいけない。さらに慎重に掘り下げた必要事項の調査をする必要がある」と判断。すぐに常設の調査委員会に徹底調査を委嘱。午後5時30分から第1回会議が行われた。

 問題となる177条第1項6号と180条第1項2号の解釈について、熊崎コミッショナーは一般論として「私としては177条は八百長行為による報酬の授受といった過去の黒い霧事件を踏まえたもので、直接操作するなど八百長を前提としている。180条は自分があれこれ操作できる立場にない賭博行為を取り出したものではないか」との解釈を示した。ただ、現時点では「事実関係がどちらかに該当するのは間違いないが調査委の報告を待つ」と話した。

 今後は調査委による福田、笠原両選手に対するヒアリングが行われる。熊崎コミッショナーは「現時点で反社会的勢力との関わりは報告されていない」としたが、さらに調査する方針。笠原が紹介したとされる知人について、野球協約で禁止されている野球賭博常習者に当たるかどうかの判断のためにヒアリングを行う可能性もあるという。「1カ月~1カ月半がメド」と迅速な調査を行った上で最終報告を待ってコミッショナー自らが処分を下す。刑事事件に発展する可能性も秘める。

 実行委員会の最後には12球団に報告がなされた上で、熊崎コミッショナーから再発防止の徹底が通達された。「多くのファンの皆さま、野球関係者の皆さまに対して納得のできるような厳正な手続きを進めていく。今回の案件に裁定官、裁決官として、職責を果たしていかなければいけない」。誰もが納得できる究明がなされなければ、野球界が築き上げた信頼にも傷がつくことになる。

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2015年10月6日のニュース