スポーツを汚した…JOC関係者激怒 五輪復帰へ最悪のタイミング

[ 2015年10月6日 05:30 ]

巨人・福田 野球賭博関与

 9月28日に20年東京五輪の追加種目として推薦されることが決まった野球界のスキャンダルに、スポーツ界全体が揺れた。来年8月の国際オリンピック委員会(IOC)総会の投票で正式決定するとはいえ、今回の推薦は東京の組織委員会の強力なプッシュ。IOCとの折衝を積み重ねた結果で“当確”と思われていたが、逆風にさらされる可能性もある。組織委の武藤敏郎事務総長は「あってはならないこと」と話し、別の幹部も「タイミングが悪い。(10年に野球賭博問題で揺れた)大相撲のようにならなければいいが」と影響を懸念した。

 日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子選手強化本部長は「しっかりガバナンスをやっていかないといけない。JOCはプロでも(選手を)派遣する責任がある。対応を考えないといけない」とコメント。近年はIOC、JOCともに選手の周辺環境を整備する「アントラージュ委員会」を設立するなど、違法な賭博などによる八百長問題にもナーバスになっているだけに、タイミングは最悪だった。JOCの平岡英介専務理事も「IOCは差別、ギャンブル、賭博、ドーピングと不正を絶対に許さない。賭博でスポーツを汚すことは認められない。残念な結果」と話した。

 また、2年前に施行されたスポーツ基本法がプロをスポーツとして初めて定義し、今月1日にスポーツ庁が設立されるなど、日本スポーツの歴史が動きだした時期のスキャンダルだけに関係者の衝撃は大きい。スポーツ庁の高橋道和次長は「けしからん話ではある。子供に夢と感動を与えるプロ選手として自覚を持ってもらいたい」と苦言を呈した。新国立競技場やエンブレムの白紙撤回でイメージを悪化させた東京五輪に、再び負のスパイラルを生み出す可能性すらある。

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2015年10月6日のニュース