安楽プロ1勝!マー君超えた 球団初の高卒1年目白星デビュー

[ 2015年10月6日 05:30 ]

<楽・ソ>プロ初登板初勝利を飾り、ウイニングボールを掲げる安楽

パ・リーグ 楽天6-1ソフトバンク

(10月5日 コボスタ宮城)
 マー君超えだ!楽天のドラフト1位ルーキー・安楽智大投手(18)が5日のソフトバンク戦でプロ初登板初先発し、6回2安打無失点で初勝利を飾った。高卒新人のデビュー戦勝利は球団史上初めて。初登板まではシーズン142試合目と時間がかかったが、07年の田中将大投手(26=ヤンキース)や14年の松井裕樹投手(19)も成し遂げられなかった偉業をやってのけた。

 白い歯がひときわ輝いた。試合後、1人で上がったお立ち台。降り注ぐ大歓声を一身に浴び、喜びをかみしめた。

 「いい緊張感の中で投げられた。良い結果が出て自分でもホッとしています。最後まで気持ちを切らさず投げた結果、0点につながりました」

 耐えて粘った白星だった。立ち上がりから制球に苦しみ、4回まで毎回の5四球。それでも「自分の魅力はストレート」と語るように94球中、7割を超える72球が直球と強気の投球を貫いた。

 自慢の直球は悩みの種でもあった。最速157キロの剛速球が売りだが、高校2年の秋に右肘を痛めた影響でプロでは一度も150キロを超える球が投げられていない。そこでこだわったのが、球速よりも球質。2軍ではシャドーピッチングなどでフォーム固めに取り組み「高校時代はフォームが暴れていて150キロ出ていても、ボールが死んでいた。今は140キロ中盤でも球がピュッと伸びている」と手応えを口にする。

 この日も最速は146キロながら、高村投手コーチは「直球で差し込み、ファウルでカウントが稼げた」と評した。ソフトバンクの各打者は直球に差し込まれる場面が目立った。

 ドラフト1位ながら、育成を除く球団の新人7選手では大トリの1軍デビュー。西武のドラフト1位・高橋光にも先を越され「同学年が活躍する中、こんなんでいいのかなと思った」と悔しさをかみしめながら、ファームで鍛錬を積んだ。

 高卒新人のデビュー戦勝利は球団初の快挙。それでも「これから先、一試合も勝てなかったら意味がない。来年こそ今年の目標だった開幕1軍を目指します」。安楽がエースになるための第一歩を踏んだ。(徳原 麗奈)

 ▼安楽の母ゆかりさん(スタンドで観戦)ハラハラドキドキでした。四球が多かったけど初めてなので、これからにつなげてほしい。

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