阪神CS危機!和田監督の執念も、関本の同点打も…4日直接対決で雌雄

[ 2015年10月3日 07:35 ]

<ヤ・神>8回、同点の適時打を放つ阪神・関本

セ・リーグ 阪神1-2ヤクルト

(10月2日 神宮)
 阪神は2日のヤクルト戦(神宮)に延長11回の末にサヨナラ負けし、目前でリーグ優勝を決められる屈辱を味わった。4位・広島にも0・5ゲーム差に詰め寄られ、クライマックスシリーズ出場も危ぶまれる状況で今季限りでの退任が決まっている和田豊監督(53)は4日の広島との直接対決(甲子園)に全力を尽くす決意を強調。今季限りで現役引退する関本賢太郎内野手(37)も8回に同点適時打を放ち、意地を見せた。

 劇的にリーグ優勝を決めたヤクルトの歓喜の輪を横目に和田監督は厳しい表情のまま三塁ベンチを出た。延長11回までもつれる総力戦に敗れた。胴上げを阻止できなかった悔しさがにじんだ。

 「力尽きたというか、執念がもう一つ足りなかったのかな…。どことは言わないけど、(阪神と)その差が出たかな」

 指揮官は精いっぱいの「執念」をグラウンドに出した。1点を追う2回、1死三塁から梅野のライナー性の打球が畠山に好捕された場面だ。名幸球審はアウト判定も柳田一塁塁審は打球がバウンドしたと判定。本塁へ突入していた三塁走者・江越は併殺になった。三塁ベンチから飛び出して猛抗議。11分後に試合は再開され、判定が覆ることはなかったが、鬼の形相で審判団に詰め寄る姿に左翼席を埋めた虎党からは自然と「和田コール」がわき起こっていた。

 「後のことは振り返らないけど、三塁走者はアウトだと思ってスタートを切っていないから。そこはおかしいんじゃないかとね」

 延長10回からは先発要員の能見を12年10月5日のヤクルト戦(甲子園)以来となる中継ぎ起用で送り出した。10回2死二塁の窮地で自らマウンドへ歩を進めて激励した。最後は無情の結末でも死力は尽くした。

 思いは選手たちにも響いたのだろう。8回には2死から故障明けの西岡の右前打から好機をつくり、今季限りでの引退を表明している関本が代打で同点の中前適時打。守護神のバーネットを打ち崩す意地の一打に「目の前の試合を勝っていくだけ」と前を向いた。今季限りで退任する和田監督同様、クライマックスシリーズはもちろん、日本シリーズまで…、1試合でも多くグラウンドに立ちたい思いは同じだ。

 しびれる戦いはまだ残っている。CS進出を激しく争う4位・広島には5連勝で0・5差まで迫られた。広島は3日、優勝の美酒に酔いしれたまま当日に敵地へ移動するヤクルトと対戦するため、白星を挙げる可能性は低くない。4日、レギュラーシーズン最終戦でもある直接対決で雌雄を決することになりそうだ。

 「たとえ、きょう勝っていてもそこ(4日)で決まるだろうから、もう一回最後の勝負をしたい」。もう一歩も退けない。和田監督も、関本もまだ終わる気はない。2015年の戦いを“延長”するには、あと1勝が必要だ。全力でつかみ取るしかない。(遠藤 礼)

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2015年10月3日のニュース