【ヤクルトVデータ】史上最強トリオに鉄壁救援助っ投

[ 2015年10月3日 09:00 ]

<ヤ・神>胴上げされる真中監督

セ・リーグ ヤクルト2-1阪神

(10月2日 神宮)
 ヤクルトが01年以来14年ぶり7度目の優勝を決めた。新任の真中監督が指揮を執り、2年連続で最下位に沈んだチームを頂点に導いた。川端、山田、畠山らタレントぞろいの打撃陣、絶対守護神・バーネットら投打のデータを基に今季の強さを探った。 (記録課・宮入 徹)

 ★3人で3冠独占 今季のヤクルト打線は打率・258(1位)、本塁打106本(2位)、得点566(1位)と充実。個人では川端が打率、山田が本塁打、畠山が打点と3部門でトップに立っている。過去、同一球団で3冠部門の複数打者による独占は06年中日(首位打者・福留、本塁打王、打点王・ウッズ)まで18度あるが全て2人の打者で記録。3人で1部門ずつ分け合えば初めてになる。また、今季は3冠部門の1、2位もこの3人。同一球団で3冠部門3位以内に2人以上名を連ねたのは過去5度あるが、全て2位以内なら史上初。球史に残る強力トリオを形成した。

 ★ライバル封じ バーネットは球団新記録の40セーブ。球団別では現在2位の巨人戦が10試合で9セーブ、同じく3位の阪神戦は8試合で6セーブを挙げともに失点0。優勝チームの最多セーブ投手が2、3位チーム相手に無失点ならセでは初めてになる。今季のヤクルトは救援投手の防御率がリーグ1位の2・61。昨年の4・58(6位)から大きく改善した。バーネット以外でもオンドルセクが71試合、ロマンも61試合と外国人が奮闘。3人が救援として未登板の試合にチームは13勝31敗(勝率・295)だったが、1人でも救援登板すれば62勝33敗2分け(・653)。3人がそろって出た試合は23勝2敗2分け(・920)と盤石の勝ちパターンを築いた。

 ★ベテランコンビがけん引 今季ヤクルトの先発投手成績は53勝54敗と負け越し。過去のセで優勝チームの先発投手最低勝率は73年巨人の5割(48勝48敗)。もし借金のままならリーグ初めてになってしまう。それでも今季は石川が13勝、6月下旬に復帰した館山が6勝と両ベテランで計19勝。特に石川は球宴後にセ最多タイの8勝と活躍。一方、館山は7月11日DeNA戦で3年ぶりの勝利。以降、連敗なしの6勝3敗と勝ち越し。ブランクを感じさせない投球で後半の巻き返しに貢献した。

 ★大詰めで猛チャージ チーム112試合を消化した8月21日時点で首位阪神に3・5ゲーム差の3位。そこから29試合を連敗なしの20勝8敗1分け(勝率・714)で乗り切り、混戦に決着をつけた。序盤は苦しみ、5月4日DeNA戦から同16日巨人戦まで9連敗。首位DeNAと最大8・5ゲームの大差をつけられた。シーズン途中に9連敗を喫して優勝したのは92年のヤクルト自らに並ぶ最多連敗記録。また、セで8・5ゲーム差以上をはね返しての逆転Vは11年中日(10ゲーム差)以来4度目。ヤクルトでは78、93年の5・5ゲーム差を上回る最大の逆転劇となった。

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2015年10月3日のニュース