“秘策”ではない近藤の捕手起用 ハム日本一のキーマンに

[ 2015年10月2日 10:05 ]

9月30日のロッテ戦でサブローの捕飛を捕球する近藤

 決して秘策ではない。日本ハム・近藤はDHではなく捕手。全てはクライマックス・シリーズ(CS)を勝ち抜き、3年ぶりの日本シリーズに進出するためだ。

 「守備に就いて、打撃が生かせれば、それが一番いい。その中で与えられた仕事をしっかりやりたい」

 プロ4年目の今季、初めて開幕マスクをかぶった。大谷の開幕7連勝のうち、5試合は近藤とのコンビ。安定感のあるリードと強肩で、6月途中まで首位を守ったチームの勝利に貢献した。その後、右肩と右肘を痛めて後半戦は打撃を生かすためDHに。10月1日時点で、打率・328は堂々のリーグ3位だ。

 それがここに来てシートノックで捕手に入るようになった。「まだ多少痛みは残っているが、問題なくできている」。9月30日ロッテ戦(札幌ドーム)では8回2死三塁から代打で右前適時打を放ち、直後の守備で捕手に就いた。捕手での出場は7月4日楽天戦(コボスタ宮城)以来。先頭打者の代打・サブローの捕飛を無難に捕球し、3者凡退で役目を果たした。

 栗山監督は「目の前の試合を勝つことも大事だが、常に日本一を目指すチームになると思ってやっている」と言う。近藤が捕手で出場できれば、二刀流の大谷をDHで起用することが可能になり、下位打線に34本塁打のレアードやハーミッダを加えた超攻撃オーダーを組むことができる。

 西武・森とともに球界で嘱望される「打てる捕手」。その豪快なスイングは中学球界の強豪・修徳中(東京)時代に培われた。ティー打撃ではなく、素振りを大事にし「ボールを捉えることを意識せず、自分のスイングにボールを入れていくイメージ」。成長期に自らに課した1日500スイングの素振りは、常に実戦と自らの形を意識して振り込んだ。だからこそ多少タイミングを崩されても、フルスイングが可能になった。それは大谷が「天才的」と尊敬の眼差しを送るほど、魅力的な打撃だ。

 送球難に悩み、試合前はもちろん、試合後も今季限りで現役を退く中嶋兼任コーチとマンツーマンで1時間以上も送球練習に励むこともあった。ナイン、首脳陣だけではなく、担当記者たちもその姿を見てきた。近藤は「頭(スタメン)から捕手で出た方がやりやすい。打撃が生かせる」と言う。無限の可能性を秘める22歳の起用法が、06年以来の日本一の鍵を握っている、と言っても過言ではないはずだ。(柳原 直之)

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