山本昌、世界最年長勝利は断念も…広島2連戦でラスト登板へ

[ 2015年10月1日 05:30 ]

山本昌は引退会見ですがすがしい笑顔を見せる

 日本球界の一つの時代が終わった。中日の山本昌投手(50)が30日、名古屋市内で現役引退会見を行った。83年ドラフト5位で入団以来、実に32年。永遠に投げ続けるかとさえ思えたレジェンド左腕は「幸せな野球人生だった」と何度も強調した。今後は野球評論家に転身。1日の広島戦(マツダ)にも引退登板する方向となった。

 諦めの悪さなら誰にも負けない。だからこそここまでやって来れた。会見でも時折、未練そうな表情を見せた。ただ、32年間投げ続けた自身へのご褒美は? と問われた時だけは、大きな胸を誇らしそうに張った。

 「それはない。野球選手を目指した人が、もしかしたら何千万人もいたかもしれない。その中で1番長くプレーできた。こんな幸せな人がご褒美なんかもらえない。世界で1番、幸せな野球人生を送れた男だと自分では思っています」

 「引退ラッシュ」の球界だが、その存在感は別格だ。会見の様子を地元テレビ局が生中継するなど、報道陣が殺到。1つ1つの言葉に年輪を感じさせながら、終始、笑顔で誰よりも長いプロ野球人生を振り返った。

 「泣き虫なんで泣くかと思ったけど50になってビービー泣いてたらね。もう1つ何とか勝ちたかったけど、チャンスをもらってこの結果。悔いはすごくあるけど、後悔はしていない。やりたかったこと、もっとできたと思うことはたくさんあるけど、その時々はきっと僕は一生懸命やったんだと思っているので」

 あと1つ勝てば超えられたジェイミー・モイヤー(元ロッキーズ)の持つ49歳180日の「世界最年長勝利記録」の更新は断念した。ただ、1日からの広島2連戦でラストマウンドに上がる可能性が高い。この日に約1カ月半ぶりにナゴヤドームでの1軍練習に合流。あくまで痛めている左手人差し指の状態と試合展開次第だが、日本で初めて50歳で出場することになりそうだ。

 「カープもCS争いの真っ最中だし、軽々しく言えない。大勢に影響のないところで打者1人でも投げさせてもらえるのなら。前回が途中降板なんで、せめて何か結果が残った上で終わりたい」

 32年間着続けた「34」のユニホームを脱ぐ日は間近。今後は野球評論家に転身する。「投げること以外は素人。野球をしっかり勉強して、いずれはまたユニホームを着れるようになれれば」と野球少年のように笑った。(山添 晴治)

 ◆山本昌(やまもと・まさ=本名・山本昌広)1965年(昭40)8月11日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の50歳。日大藤沢から83年ドラフト5位で中日入団。89年から先発に定着し、93年に最多勝と最優秀防御率。94年は19勝で2年連続最多勝を獲得し、沢村賞にも輝いた。06年9月16日阪神戦ではプロ野球最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン達成。08年8月4日巨人戦で通算200勝。49歳0カ月で先発した14年9月5日阪神戦でプロ野球最年長勝利記録を樹立。通算219勝165敗5セーブ。1メートル86、87キロ。左投げ左打ち。

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