代打で代走で、巨人ベテランが偉大な記録 短期決戦の強力武器に

[ 2015年10月1日 09:15 ]

巨人の代打の切り札・高橋由(左)と、走塁のスペシャリスト・鈴木

 大混戦のセ・リーグもいよいよ最終局面を迎えた。ヤクルトが優勝に王手をかける中、奇跡の逆転4連覇を目指す巨人は、9月28日の阪神戦(甲子園)で藤浪に零封負けを喫したが、その陰でチーム最強のベテラン2人が、偉大な記録を打ち立てた。代打の切り札・高橋由と、走塁のスペシャリスト・鈴木である。

 高橋由は2点を追う9回2死二塁から田原誠の代打として登場。藤浪から左前打を放って一、三塁と好機を広げ、大きな役割を果たした。これで今季の代打成績は37打数15安打、打率・405。12年に石井義人がマークした球団シーズン記録に、この段階で並んだ。

 代打では高打率に加えて1本塁打、9打点をマーク。出塁率は5割にのぼる。試合終盤の勝敗を決める最重要局面で起用され、相手の守護神ら一線級の投手と対戦する中でこれだけの成績を残せるのは、並大抵のことではない。プロ18年目の40歳。6月20日の中日戦(東京ドーム)では球団では58年ぶりとなる40代の代打本塁打も放った。残り3試合で石井を抜く球団新記録を打ち立てる可能性は十分にある。

 鈴木は28日の試合で高橋由の代走として登場。2点を追う9回2死一、三塁。失敗すれば試合終了という計り知れない重圧の中、大田の2球目に二盗を決めた。捕手が送球できないほどの抜群のスタート。一打同点という場面を演出し、完封目前の藤浪に最大限のプレッシャーを与えた。これで今季盗塁数は10となり、11年連続2桁盗塁を達成。球団では63~80年に柴田勲が18年連続で成し遂げて以来、史上2人目の快挙だ。

 原監督が「最大の勝負手」と表現する鈴木も、試合終盤の勝負どころで代走として起用される。相手バッテリーの警戒は、スタメンの選手が出塁したときと比べても格段に高い。その包囲網をかいくぐり、今季は盗塁を11度試みて失敗はわずかに1。成功率は・909を誇る。プロ19年目の37歳は走塁技術も球界トップクラス。「生還するまでが僕の仕事」と語る鈴木の盗塁には、勝利を大きく引き寄せる価値がある。

 巨人がリードを許したまま試合終盤に入っても、「まだ逆転できる」という期待感を抱くことができるのは、この2人の存在によるところが大きい。経験豊富な「代打の神様」と「代走の神様」の勝負強さは、日本一奪回をかけた短期決戦でも必ず強力な武器となる。(青木 貴紀)※記録はすべて9月28日現在

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