呉昇桓、流出危機も…阪神「中村遺産」で新守護神候補は調査済み

[ 2015年9月30日 05:52 ]

阪神・呉昇桓

 阪神の呉昇桓投手(33)が今オフ、メジャーを含む他球団に流出する可能性があることが29日、分かった。守護神の退団となれば一大事だが、23日に急逝した中村勝広ゼネラルマネジャー(GM=享年66)がすでに韓国LGのヘンリー・ソーサ投手(30)ら複数の守護神候補の調査を進めており、「中村遺産」を最大限に活用する。

 猛虎にとっては耳を覆いたくなるような情報が、球団内外で飛び交っている。それは、呉昇桓の流出危機だ。2年間で通算80セーブを挙げた絶対的守護神は、今季で2年契約が満了。そして今オフ、メジャーを含む他球団移籍を視野に入れているというのだ。

 球団は基本線として、来季も契約を更新する方針を固めているもよう。ただ現状の条件に他球団との契約権を買い取るバイアウト契約は結んでいない。つまり、今オフの契約交渉で最も大きな「決め手」となるのは、本人の意志。その「意志」について、球団関係者は気になる情報をキャッチしている。

 「呉昇桓は依然、メジャー志向が強いようですね。どうも(元ヤクルトの)林昌勇のように、メジャーでプレーした後、最後は韓国で…という考えがあるようです」

 今年で33歳。メジャーに挑戦するなら、力が衰えないうちに…と思うのが普通だ。今オフ、一気にメジャー挑戦を決断する可能性が十分にあるというわけだが、最悪の事態が起こりうることは中村GMが想定してくれていた。

 中村GMは脳出血で急逝する約1カ月前まで、米国と韓国を相次いで現地視察。その目的こそが、新守護神候補の獲得調査だった。経験豊富な観察眼を駆使し、ある投手の投球に熱視線を送ったという。それは現在、韓国LGに在籍しているヘンリー・ソーサ投手だ。

 ドミニカ共和国出身で、1メートル85、95キロの恵まれた体格から繰り出す160キロ近い直球が持ち味の剛球右腕。今年30歳と働き盛りでもある。韓国球界では主に先発として4年間プレーして通算37勝30敗、防御率4・36(29日現在)。抜群の成績を残しているわけではないが、阪神は先発としてではなく、抑え投手としての適性に目を付けているという。

 ソーサだけではない。米国視察でも150キロ台後半の剛球を投げ下ろす複数投手の調査を進めていた。チーム強化に尽力していた中村GMは、志なかばで帰らぬ人となった。とはいえ、その奔走によって作り上げたリストは、球団に受け継がれる。仮に呉昇桓が流出しても、中村GMが残してくれた「遺産」の中には石直球以上の直球を武器とする守護神候補がいる。

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