黒田 広島初40歳10勝!中4日も「チームのためなら喜んで」

[ 2015年9月29日 05:45 ]

<D・広>ファンの声援に応える黒田

セ・リーグ 広島8―3DeNA

(9月28日 横浜)
 広島・黒田博樹投手(40)が28日のDeNA戦(横浜)で6年連続、日米通算12度目の2桁勝利を飾った。2試合連続3度目の中4日ながら、無四球で8回を投げ抜き、3安打1失点の好投。40歳以上のシーズンでの10勝は球団初、史上6人目(9度目)の快挙だ。打線も13安打で大量8点を援護し、チームは3連勝。12連戦の最後となる29日、敵地でヤクルトの胴上げを阻止するのみだ。

 負ければ自力でのCS進出が消滅する崖っぷちで、黒田が内外にあらためて心技体の強さを見せつけた。過酷な2試合連続、今季3度目の中4日で6年連続の2桁勝利。40歳以上のシーズンでの10勝は球団初の快挙だが、ヒーローインタビューがまた黒田らしかった。

 「自分の勝ちや、2桁勝利は一切関係ない。チームの勝ちが一番大事。それしかないです」

 シーズン終盤。24年連続のV逸は決まっても、チームには3年連続CS進出という目標がある。07年までの前回広島在籍時からフォア・ザ・チームを貫き「この1球が最後になってもいい」とマウンドに立ち続けた男。自身の記録を目前にしたところで信念は不変だ。

 初回にいきなり失点した。高めの初球ツーシームを、先頭・荒波に左中間二塁打。梶谷には右前同点打を浴びた。「開き直って切り替えるしかなかった」。以降は快刀乱麻を断つ投球。全球種を制球よく操り、二塁すら踏ませない。8回での球数102球は無四球、好テンポの証しだった。

 チームには黒田の強い遺伝子が植え付けられつつある。首脳陣の判断で8回零封で降板し、9勝目を挙げた11日の阪神戦(甲子園)。試合後のトレーナー室で、40歳は救援の大瀬良に「オレがもう少し若かったら、最後まで投げたのに…。ゴメンな」と声を掛けた。

 次代のエース候補は言う。「その一言はありがたかった。ボクも先発の時は完投したい。黒田さんは普段の練習でも決して手を抜かない。だから長くできる。勉強になります」。復帰1年目。プロとは。エースとは―。日米で19年間活躍してきた生き様を、背中で若ゴイに示す黒田だった。

 「中4日は誰かがやらないといけない。この時期に痛い、かゆいは言っていられない。チームのためになるなら喜んで投げたい。次も全力で…」

 満身創痍(そうい)。右肩、右足首に不安を抱えるが、40歳は前だけを見据えて言った。今季最終登板は本拠地最終の10・3ヤクルト戦か、10・4今季最終阪神戦か。黒田の力投を目に焼き付けたい。(江尾 卓也)

 ≪広島では初≫40歳の黒田(広)が今季10勝目。40歳以上のシーズンに2桁勝利は08年の下柳(神)、山本昌(中)以来6人目で9度目。広島では97年大野(42歳)の9勝を抜いて初の2桁到達を果たした。また、40代右腕に限ると、1リーグ時代の48、49年若林(神)、パの90年村田(ロ)以来3人目で4度目となり、セ初だ。なお、メジャーから国内復帰初年度に10勝の大台は、03年伊良部(神=13勝)、06年石井一(ヤ=11勝)に次ぎ9年ぶり3人目。

 ▼広島・緒方監督(10勝目を挙げた黒田について)1年間ローテーションを守るだけでなく、数字としても2桁(勝利)を残してくれた。素晴らしい。大したもんだ。苦しい場面でも表情を変えず、相手に弱みを見せない。若手投手も勉強してほしい。

 ▼広島・鈴木球団本部長(黒田について)ホッとしたよ。2桁まで投げてくれた。足首とかいろいろある中で160イニング。チームへの影響は大きいし、精神的にも力になってくれている。

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