バレンティン、優勝へ“歯車”宣言「勝利の力になれる一打を打つ」

[ 2015年9月26日 08:35 ]

本塁打よりチームの勝利を!!巨人との大一番で5番に座るバレンティン

セ・リーグ ヤクルト―巨人

(9月26日 東京D)
 史上空前の大混戦となった今季のセ・リーグを制するのはヤクルトか巨人か。26日から優勝の行方を大きく左右する直接対決2連戦(東京ドーム)が行われる。首位のヤクルトはウラディミール・バレンティン外野手(31)が打棒復活を宣言。ヤクルトは26日に勝てばリーグ優勝マジック3、引き分ければ同4が点灯する。

 普段は陽気なバレンティンの表情は大一番を前に引き締まった。「東京ドームで復活するよ」。左太腿手術を経て、9月18日に1軍合流したばかり。今季の成績はここまで8試合の出場で、打率・286、1本塁打、5打点にとどまっている。少しでも貢献したい。そんな切実な思いが復活宣言へとつながった。

 「戻ってきた以上、チームのいい流れを壊したくない。チームの歯車となって勝利の力になりたいんだ」

 優勝には強いこだわりがある。来日1年目の11年。チームは春先から首位を快走しながら、秋に失速して中日に逆転優勝を許した。バレンティンは9月に打率・208、10月は同・148と急下降の要因となった。13年にシーズン60本塁打のプロ野球記録をつくった大砲の口から「本塁打はいらない。チームの勝利の力になれる一打を打つ」とフォア・ザ・チームに徹する言葉が出た。

 今季、東京ドームは2勝6敗の鬼門。バレンティン自身も苦手な球場で、昨年は10試合で打率・257、本塁打はない。あの13年ですら打率・130で2本塁打だった。「東京ドーム、風ナイ、ムリ」と冗談めかしたこともあったが、過去の相性の悪さを嘆いてばかりはいられない。今は首位打者の川端、本塁打トップの山田、打点トップの畠山と3冠トリオが2~4番に並ぶ。マークは分散され、5番に座るバレンティンに好機は来る。走者を置いた場面での勝負強さにこだわる。今季初の東京ドームでの一戦に集中している。

 真中監督は現役時代から巨人の底力を痛感させられてきた。前回優勝の01年も優位に立ちながら9月に6戦6敗と苦しめられた。だが、今はチームの成長に手応えがある。「選手の成長を感じている。みんなが目の前の1プレーに集中し、勝ちたいという気持ちを俺以上に出してくれている。重圧の中でも自分の良さを出してくれている」。若手もベテランも、そして助っ人も一体となって、王者を倒し、リーグ優勝マジックを点灯させる。(倉橋 憲史)

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2015年9月26日のニュース