能見7回零封11勝 28日の巨人戦から異例のスクランブル態勢へ

[ 2015年9月26日 09:45 ]

<広・神>1回、好守の鶴岡を称える能見

セ・リーグ 阪神3-0広島

(9月25日 マツダ)
 過ちを繰り返してはいけない。それが主戦投手である阪神・能見に課せられた宿命だ。「自分の投球をするだけなんで、初回から飛ばそうと思っていた」。名誉挽回の機を得た一戦で7回無失点の力投を演じた。

 前回の19日DeNA戦(横浜)は今季最短の4回5失点降板。必勝を期した12連戦初戦の敗戦を契機にチームは優勝争いから後退した。

 1回裏のマウンドへ上がる前に先制の援護も得た。不甲斐ない姿はもう見せられなかった。「序盤に取ってもらえるとこっちのペースになるのでありがたかった」。打者3人を11球で料理する快調な立ち上がり。4回まで1安打に抑えた。

 最大のヤマ場は5回。先頭打者の堂林に中前打され、2死からは代打・小窪の左前打で一、三塁を背負った。丸との対戦はカウント2―2からの4球目、内角を攻めた直球がボール判定。場内からどよめきが起きたほど微妙なコースだった。それでも気持ちは切らすことなく、次の内角スライダーで見逃し三振。会心の一球にも表情ひとつ崩さずベンチへ戻った。

 7回4安打無失点で挙げた今季11個目の勝ち星にも喜びは少ない。試合後には「手応えもなくボールも高かった」と反省の言葉ばかりが口を突いた。「できることはしっかりやっていかないと」とこぼした言葉に自覚もにじみ出た。

 11勝目をつかんで残り6試合。もうレギュラーシーズンでは先発機会はない。中西投手コーチは「中2日は厳しいだろうけど、28日の巨人戦からはブルペン待機してもらう」と明言。一つでも上を目指し、先発陣の中核を担ってきた36歳左腕が異例のスクランブル態勢へ入ることになった。(久林 幸平)

続きを表示

2015年9月26日のニュース