レアード、来日初の逆転サヨナラ弾!CSへ価値ある一発

[ 2015年9月23日 05:30 ]

<日・ソ>サヨナラ2ランを放ったレアードは寿司を握るパフォーマンスで三塁を回る

パ・リーグ 日本ハム4―3ソフトバンク

(9月22日 札幌D)
 日本ハムのブランドン・レアード内野手(28)が22日、札幌ドームでのソフトバンク23回戦で来日初の逆転サヨナラアーチを放った。2―3で迎えた9回無死一塁、ソフトバンクのデニス・サファテ投手(34)から左翼席へ逆転の32号2ラン。劇的な一発で今季無敗の守護神に初黒星を付け、チームのソフトバンク戦の連敗も5で止めた。クライマックス・シリーズ(CS)へ向け、あらゆる意味で価値ある劇砲となった。

 大きな一発だ。左翼席中段まで飛んだ飛距離よりも、その価値が。1点を追う9回無死一塁。初球だった。レアードがソフトバンク・サファテのカーブを捉え、逆転サヨナラアーチをかけた。三塁ベースを回ると、おなじみの「寿司を握るポーズ」。ヘルメットを放り投げ、歓喜のウオーターシャワーを浴びた。

 「サファテを打てたことは(ポストシーズンを控えて)タイミング的に良かったと思う。これで嫌なイメージを付けられたのならいい」

 絶対的な守護神に今季初めて土をつけた。どの球団もサファテには苦しめられているが、日本ハムもこの試合まで10試合10イニングでわずか1得点。帯広開催の7月15日に中島が中前適時打を放っただけだった。この日、レアードは先発・帆足にタイミングが合わずに3打席連続空振り三振。バットに当たる気配はなかったが、恐れずに初球から果敢にバットを振った。「その日のことは引きずらないタイプなんだ。悪いことは捨て去った方がいい」。相手は一発だけ避けたい場面。慎重に入ってきた変化球が真ん中に甘く入り、レアードは見逃さなかった。

 レアードにとって、サヨナラ本塁打はヤンキース傘下2Aトレントンでサイクル安打と同時達成して以来、野球人生2度目。「野球選手にとって大舞台は輝ける場所だから好きなんだ」。劇的な一発で輝いた助っ人はお立ち台で、いつもの陽気さで笑わせた。「(寿司店の)“空海”で炙(あぶ)りトロを食べます」

 もうおなじみの「寿司を握るポーズ」は7月上旬、札幌市内の寿司店「空海」の店主から「一発を打ったらやってほしい」と頼まれ、やり続けている。「“毎打席、応援している”と言ってくれているので打てて良かった。でもきょうは3三振のことを怒っていると思う」。今やチームトップの32号。日本の文化になじんで不安なく野球に取り組めるのが、好調の最大の要因だ。

 栗山監督は言う。「サファテだって次に投げづらくなる。レアードの良さは苦しんでいても前向きなところなんだ」。これでソフトバンク戦の連敗は5でストップ。投手陣が粘って接戦に持ち込み、最後に守護神を打ち崩したこの勝利はとてつもなく大きい。来るべきCSへ、この夜の炙りトロは格別だった。(柳原 直之)

 ▼日本ハム・宮西(7回に2番手で登板し2/3回を無失点。入団から8年連続の50試合登板を達成)計算できる投手で常にいたい。

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2015年9月23日のニュース