山田 虎撃ち3安打!ヤクルト、引き分け以上&巨人負けでM点灯

[ 2015年9月22日 05:30 ]

<神・ヤ>7回1死一、二塁、山田は勝ち越しとなる左中間適時二塁打を放つ

セ・リーグ ヤクルト5-2阪神

(9月21日 甲子園)
 2001年以来、14年ぶりのリーグ優勝を目指す首位・ヤクルトは21日、阪神との首位攻防戦に競り勝ち、再び2ゲーム差に広げた。同点の7回に山田哲人内野手(23)が決勝の左中間適時二塁打。6日以来の猛打賞で2打点をマークした。大一番を制し、残りは10試合。この日のマジック点灯はお預けとなったが、22日に広島戦(神宮)に勝つか引き分け、巨人が阪神に敗れるとマジック8が初点灯する。

 満員に埋まった甲子園での今季最終戦で、大きな、大きな1勝をもぎ取った。山田にとっては、初めて経験するシーズン大詰めでの優勝争い。ヒーローインタビューでは、正直に打ち明けた。

 「プレッシャーがかかる中、体力的にも精神的にもきつい。でもそんなことも言っていられない状況。打席に入ったら思い切ってやるしかない」

 負ければ阪神に同率首位で並ばれる一戦。2―2の7回1死一、二塁で打席が回ってきた。マウンドはこの回から登板した2番手・安藤。「強い打球を打とうと思った」と高めの変化球を捉えると、打球は左中間フェンスを直撃する適時二塁打となった。頼りになる3番打者の決勝打に、真中監督も「いいところで打ってくれた。みんながつないでつないでチャンスをつくって、素晴らしい集中力でした」と満足そうにうなずいた。

 甲子園で目下7連勝中の藤浪を攻略したのも、山田のバットだった。「打席に入ったときに直感で“苦手”と感じる」と言うように、この試合前までは17打数4安打、打率・235と抑え込まれていた。チームとしても今季5度対戦して4勝を許している天敵だ。

 0―0の3回1死一塁で、1ボール2ストライクから内寄りの変化球を引っ張り、左越え二塁打。「長打が打てるとは思っていなかった。たまたまです」と謙遜したが、5回の第3打席でも痛烈な左前打を放った。前夜は今季初めて1試合2失策を喫したが、ミスを取り返す3安打2打点。山田をはじめ、チーム全員が粘って食らいつき、中5日の藤浪に6回まで119球を投げさせて降板に追い込んだことが、7回の勝ち越し劇につながった。

 オフだった17日、外出先で夕飯を食べていた山田はスマートフォンで「パ・リーグTV」を開いた。この日、ソフトバンクが2年連続のリーグ優勝を決めた。「胴上げにビールかけ。全てがうらやましい。やりたいなあ、とあらためて思った」。ソフトバンクナインの姿を目に焼き付け、優勝への思いを新たにした。

 残りは10試合となった。「優勝はしたいが、監督からも先を見ずに、一試合一試合戦っていくしかないと言われている」と山田。チームは8月20、21日以来、約1カ月連敗がない。「一戦必勝」の心構えが浸透し、粘り強い戦いを生んでいる。14年ぶりの頂点へ、ツバメ軍団は戦うごとに強さが増している。(町田 利衣)

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